ダウン症の書家として活躍する金澤翔子さん。
どの書をみても迫力みなぎる力強さが翔子さんの書の特徴だ。
数々の個展や寺院、美術館等で席上揮毫や奉納揮毫などで多くの作品を世に出し続けている。
先日の京都散策で訪ねた建仁寺で、翔子さんの奉納揮毫した屏風2作品が飾られていた。一つは俵屋宗達の「風神雷神」、そしていま一つは「拈華微笑(ねんげみしょう)」。ともに翔子さんの独特の力強さが伝わる書である。
風神雷神書は、構図が実物の屏風を連想させ、まさに風神と雷神が天を飛翔しているかのような躍動感を感じる。
一方、拈華微笑は、お釈迦さんが一人の弟子に仏法の奥義を授けるときの精神性の高揚を、この大迫力で表現しているかのようである。