一枝の春
この季節になると
一輪一輪と枝を彩るかのように咲く花、白梅。
そして、香る紅梅。
梅は中国の花、江南地域が原産地とされている。
その地で詠われた詩がいまの世にも継がれている。
その詩は「一枝の春」。
折花逢驛使
寄與隴頭人
江南無所有
聊贈一枝春
ひと枝折って 駅使に託す
隴山(ロウザン)のふもとのあなたへ
江南に良きもの無し
ただあるは「一枝の春」、いま贈らん。
作者は、江南地域に住む陸凱(リクガイ)という人。
北方にいる友人のもとに、何か贈り物をしたいが、何もない。
そこで思いついたのが梅の花を折って、この詩とともに贈った。
それを「一枝の春」と表現した、といまに伝えられている。
そんな詩を想い浮かべながら、春の陽射しを心待ちに―
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