ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

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伊藤若冲の雲中阿弥陀如来像図の魅力 福田美術館「ゼロからわかる江戸絵画」より

2023-11-27 10:09:39 | 美術館

伊藤若冲が描いた仏画はそんなに多くはない。有名なものとして「釈迦三尊像」が知られている。この三尊像は40代の前半から50代にかけ約10年を費やして描いたものである。現在は国宝として相国寺の承天閣美術館に所蔵されている。

 

そして、もう一つ若冲が描いた作品の中で大好きな仏画がある。若冲が30代のときに描いたといわれている「雲中阿弥陀如来図」である。ご覧のとおり、実にシンプルな仏画で、彩り鮮やかな釈迦三尊像とは真逆である。

雲から上半身を出した阿弥陀如来が胸の前でボタンの花をもつ姿。また、後光は円の外側を薄墨で塗り、中は紙の地を見せることで表現している。色彩や形状のシンプルさが美しさを引き出している。

 

さらに、頭部の毛を螺髪のように見せながら塗りつぶし、額の中央部分をほんの少し扇形に地を見せている。いままで見たことのない描き方なので想像が膨らむ。

 

 

 

 

伊藤若冲の「雲中阿弥陀如来像図」

 

リポート&写真/ 渡邉雄二

作品/ 福田美術館所蔵作品

 

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