788年に最澄が根本中堂の前身である一乗止観院(いちじょうしかんいん)を建立した時に、本尊の薬師如来の宝前に灯明をかかげて以来、1200年間一度も消えることなく輝き続けているといわれている「法灯」。絶えることなくいまも灯り続けているので「不滅の法灯」と呼ばれている。この灯りが、最澄の教え"一隅を照らす"言葉の起源として現代に伝え継がれているのは衆知のとおりである。総体的な意味は、「場所や立場でベストを尽くし輝く」ということのようである。
案内いただいた僧侶の説明によると、毎日幾度となく僧侶が、法灯が消えてないか、また、なたね油の量をチェックするという。過去から伝え継がれている技術などと同様に、未来へ灯るかけがえのない「道導」になっているようだ。
来年の6月が最澄の遷化(没後)1200年にあたるため、法灯が全国4地域へ分けられる。その分灯式が4月2日に行われた。天台宗各派寺院で「最澄の教えを身近に感じてほしい」という全国行脚が来月から予定されていたが、残念ながら新型コロナウイルス事態で延期になったようである。
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