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舎利子の肖像画がひときわ目立つ。【比叡山延暦寺Ⅲ】

2020-05-16 16:33:46 | 文化想造塾「神社仏閣」

延暦寺の東塔地区にある大講堂は、最澄が延暦寺を創建したとき、一乗止観院(根本中堂前身)と同時に建てられた。しかしながら、1571年の織田信長の比叡山焼討ちにあい、他の堂塔と同じように焼失。それ以後も度重なる火災で焼失し、現在の大講堂は昭和39年に山麓坂本の讃仏堂(旧東照宮本地堂)を移築したものであり、国の重要文化財に指定されている。

その大講堂には本尊である大日如来が安置されている。その左右には、日蓮、道元、栄西、円珍、法然、親鸞、良忍、真盛、一遍など比叡山で修業した各宗派の宗祖の木像が祀られている。また、外陣には、釈迦をはじめとする、天台宗ゆかりの尊者の肖像画が掛けられている。数多くの尊者の肖像画の中でひときわ目に映ったのが、他の尊者とはかなり違和感のある「舎利弗尊者(シャーリープトラそんじゃ)」。般若心経等の経典に名がよく登場する「舎利子」である。釈尊の十大弟子のひとりで、釈尊が厚く信頼していた弟子だったと記載されている。当然、インド人だから顔の彫りの深さや法衣が違って当たり前であるが、こういう肖像画が掲げられているのも延暦寺ならではことかもしれない。


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