密教特有の尊格である明王の一尊である不動明王は大日如来の化身とも言われている。
一般的な仏像は慈悲に溢れ優しい顔や姿をしたものが多いが、
不動明王は、悪を絶ち仏道に導くことで救済する役目を担っていることから恐ろしい表情をしている。
怖い様相から「闘士の仏」のように見えるが、
実際は迷いの世界から煩悩を断ち切るように導く仏で慈悲深いものである。
日本では「疫病退散の守護神」としても扱われているようだ。
その不動明王に、数年前から友禅画家のあだち幸さんが取り組んできた。
横4.8m、縦2.7mの巨大な「あだち幸不動明王」が完成し、6月28日に世界遺産である仁和寺に奉納される。
その式典が午前中金堂で執り行われ、合わせ400年前に制作された5大明王(不動明王も)が公開される。
400年前に制作された不動明王と令和の不動明王を合わせて観られるのは、実に仏画ファンにはたまらない。
ちなみに友禅画というのは、上質な絹地に染料を重ね、
胡粉(貝殻からできる白い顔料)でぼかしを入れる、あだち幸さんの独特の技法である。
京友禅の手法を基本にした日本画ということになる。
20以上の複雑な工程がある友禅染は分業制で成り立っているが、
あだち幸さんは「蒸し」「水洗い」以外は図案作成から彩色、仕上げまでの作業を一人で行う。
その集大成となる不動明王に友禅画家あだち幸さんの気概と誇りが乗り移っているようだ。
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