ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

「詩」と「詞」の違いに戸惑う。

2017-07-16 16:12:33 | 一茶庵「易社」
「詩」と「詞」の違いを学ぶ機会があった。といっても理解度はかなり低いかもしれないが、なんとなくこうだろう、という薄識で書くのは気が引けたが折角なので題材をあげてみた。


翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

翡翠の屏風が開かれ、幔幕(まんまく)に、刺繍のあげばりの中に、花の中に、頬を赤くする。あれほど美しかった妃嬪も年を重ね、寵愛(ちょうあい)を失えば無気力になり、夜明けの化粧をしなくなり、にしきのとばりの内におしどりの掛布も能(よ)く滲みこませたお香が強くかおる。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

春の細雨は寝殿前の中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの籠檻(かんろう/自由がない)のなかで隔離されているようなものだ。杏の花の季節には恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって正門に倚(よ)りかかる。

世の中はすべて春を示しているのに、いつまで待ってももう寵愛を受ける事は無い。前段はそれでもなお、寵愛を受ける準備は常にしていなければならない閨(けい/寝屋)のようすを詠い、後段は、探春の宴、行楽に対しても準備だけはしていなければいけない外部の景色様子を詠う。


上記にあるのは「詞」である。煎茶で教えていただいているのは「漢詩」という中国の古典詩。このたび、「詞」が初登場したのでこんがらがっている。文字だけを見ているとまったく変わらないのだが、前段と後段の情景などが異なるのが「詞」と理解した。書いた日や時間が違うが、ただテーマが同じようなので全体の意味としてつながって成立する。
「詩」は、起承転結があって、すべての文字の中で意味が成立するものだと理解したら、わりとすっきりしたわけである。

前回でも書いたように、煎茶稽古は「翡翠」がテーマだった。鳥の「カワセミ」、宝石の「ヒスイ」が登場し話の展開がされていった。
ともに色が特徴で"美しい"が共通の認識である。カワセミはだいたいが番(つがい)で行動するが、描かれるのは一羽が多い。美しいヒスイは"高貴"をイメージする。高貴な女性が旦那さんや恋人がいるにもかかわらず、いつも独りで寂しい想いをしている情景を「翡翠」を題材に「詞」で表現したものを今回は教えていただいた。

独りでモヤモヤとしながらまとめてみたが、なにせ想像力に乏しいおやじには、ちょいと難解であった。








下段2枚の写真はYahooより転載

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緑に黄金色がひときは映える。

2017-07-14 10:51:27 | 歴史建造物
裏六甲の麓を走っていると、写真にあるような茅葺屋根の屋敷邸が見えた。この機会を逃すとまたいつこちら方面に来るかわからないので、思い切って訪ねてみることにした。アポなし旅さながらの行動を取らざる得なかった。

正面門は見えるのだが、どちらから尋ねていいものやらと思案していると、勝手口の扉が開いていたので覗くとおばあさんが縁台に腰を掛けておられた。

声をかけてみると、私の声が聞こえなかったのか、おばあさんから、耳が遠いのでこっちに来て喋ってくれませんか、という渡りに船ではないが入らせていただくきっかけを得た。

ひと通り失礼にならないようにと挨拶をさせていただき、訪問の理由を伝えると、どうぞ、どうぞ、という返事だったので、何枚か写真を撮らせていただいた。

いまだに茅葺屋根。なおかつ屋根を3年前に補修したとのこと。カヤの上部を剥がし新しくカヤを重ね葺き替えたことで、山間の緑に黄金色がひときわ映えていた。

屋根は茅葺がいいよ。家の中も昔のままだよ。
いまは爺さんとふたり、若いもんは街に出でいったよ。

山麓の里で余生を楽しんでるいるかのようだった。
















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「ひとつぶマスカット」が郷愁を誘う。

2017-07-12 22:06:13 | 雑感
昨夜は煎茶の稽古があった。
話のテーマが「翡翠」。
この漢字は、鳥なら”カワセミ”と読み、石なら”ヒスイ”である。
翡翠色といえば、薄緑。微妙な色で透明感をイメージさせる。

冷水で煎茶を6煎まで淹れ、味の変化を楽しませていただいた。その合間に茶菓子が回ってきた。
煎茶席ではあまり添えられる菓子ではなさそうだが、翡翠の色をした「ひとつぶのマスカット」という名のものだった。
翡翠の話にぴったりの色合いの茶菓子。マスカットの皮だけ凍らせた夏らしい添え物が、冷水の煎茶にマッチしていた。

この「ひとつぶ のマスカット」の製造所は広島県三原市との先生の一言に驚いた。実は私の生まれ故郷である。
小さな田舎町で作られているこの菓子を賞味し、少し嬉しく思えた。

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自然の姿に、ちょっと感動!!

2017-07-09 21:38:49 | 自然の美しさ
春は桜の名所として賑わう夙川も、この季節は緑一色に覆われている。
季節がめぐり歳月は経ちゆく中、木々は伸びていく。中には川を覆うかのように横に広がる松もある。

今日はこんな松が目にとまった。胴体から何本もの首が出ている恐竜のように見える。
これだけ大きくなると手入れはできなくなる。
自然に枝が折れ、また成長しこのようなちょっと変わった形になるのだろう。

かなり長い歳月が経っているのは間違いない。
人の手が入るとこのような形にはならないだろうが、あるがままの自然の姿にちょっと感動することもある。









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三木の五大金物、国の伝統工芸品に指定。

2017-07-08 21:47:53 | 匠の技
兵庫県三木市と言えば、”播州の打刃物(主に大工道具類)の金物”の町としてが知られている。
とくに三木の五大金物として、鉋(かんな)、鑿(のみ)、鋸(のこぎり)、鏝(こて)、小刀(こがたな)は国の伝統工芸品に指定されている。

国内で古式鍛錬打刃物をつくる鍛冶職人さんは極めて少ないといわれている。そんな中でも「伝統工芸士」と言われ方々は貴重な存在である。

先日、三木市の道の駅の二階に常設展示されている打刃物金物を見せてもらった。
鉋コーナーでは、伝統工芸士の今井重信さんの鍛錬された極めつけの逸品があった。
寸八の鉋が、21万円代の値がついていた。

いまの大工さんの仕事現場は詳しくないが、現場で鉋削りをして姿を見たことがない。柱用の角材は、事前に決まった寸法に削られた角材を持ち込みはめ込むだけのようである。
職人仕事では、鉋や鑿は無用の長物になっている。

いまの職人さんにしても、仕事はスピーディに簡単にが求められている。致し方ないが、職人の技や感などの技能は活かされない。

1ミリ、1秒、1gを活かす技は、機械やコンピュータにも負けないはずである。そんな匠の技が必要とされる時代がまた来ると、道具を見ながら思った次第である。













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