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ライブ インテリジェンス アカデミー(LIA)

日本の伝統文化の情報を国内外に配信していくための団体です。 その活動を通じ世界の人々と繋がっていく為の広報サービスです。

泉涌寺塔頭「雲龍院」の美しさ。

2020-04-24 16:50:47 | 文化想造塾「神社仏閣」

神社仏閣が好きで心赴くままに参拝鑑賞させていただいている。その中でよく訪ねる寺院がいくつかある。その一つが、京都東山にある真言宗泉涌寺派の総本山である御寺 泉涌寺(みてら せんにゅうじ)。ご存じの方も多いと思うが、皇室と深いかかわりのある仏教寺院である。昨年の、天皇陛下・皇后陛下の「即位の礼」のあとに京都をお訪ねになった時にもご参拝された寺院である。

その泉涌寺にも参拝させていただくが、通う目的は泉涌寺塔頭の「雲龍院」という寺院である。雲龍院に足しげく通うようになったのは、他の寺院にない写経や写経場の環境が素晴らしかったからである。それに、書院から眺める庭園の美しさ、そしてそこでの一服の茶が穏やかな時間を創ってくれる。さらに、仏教寺院ならではの書院の工夫などが随所に鑑賞でき、心身ともにリラクゼーションの聖地だと思っている。

その雲龍院を少しずつ紹介していたいと思っている。いまの事態が終息した折には、京都に行く機会があれば立ち寄っていただければ嬉しい限りである。

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二体一対の「阿吽の呼吸」【石峯寺・須磨寺】

2020-04-23 15:54:01 | 歴史遺産「仏像」

「以心伝心」「暗黙の了解」という言葉は、とくに日本人には普遍的な人間の現象として認識され理解されている。いま風にいうなら、非言語コミュニケーションスタイルかもしれない。信頼関係があるなら “言わなくても分かる” という風潮である。それが脈々と日本人の心の伝承文化として定着してきた。

それが、二体一対の金剛力士像(仁王像)で阿形と吽形という形で表現され、「阿吽の呼吸」として根付き多くの場面で生かされているのは言うまでもない。

今回は、数年前に訪ねた神戸の二つのお寺の金剛力士像を紹介する。北区の岩嶺山の山麓に、真言密教の修行道場の「石峯寺(しゃくぶじ)」と、須磨区にある「須磨寺(すまでら)」。

石峯寺は、651年にインドの僧により開基された。山麓丘陵地に伽藍を建立され、その当時は、東西二里、南北一里に70余の建物があり一山寺院が形成されていたようだ。

その仁王門に、歴史を感じさせる仁王像が安置されている。補修された形跡が随所にあり、また色が微かに残る程度で古さを感じさせる。拳を握る「阿像」と掌を広げる「吽像」が象徴的に造られている。

一方、須磨寺の仁王像は「阿像」がしっかりと手に握りしめる金剛杵がよく目立っている。ちなみに造像は、運慶と湛慶(運慶の子/ たんけい)の作と伝えられている。

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忿怒の形相の中に、優しさが・・・

2020-04-22 15:58:27 | 歴史遺産「仏像」

平安初期に開山された「醍醐寺」。ご承知のとおり、世界文化遺産である。 

伽藍のほぼ中心部にある醍醐寺の正門、西大門(仁王門)の両脇に木造の金剛力士像が安置されている。

開口の阿形像と口を結んだ吽形像2像が忿怒の形相で睨みをきかせていた。

よく見ると、他寺の仁王像に比べてどことなく穏やかな表情がうかがえる。

大きめの頭部に対し体部はやや細身。全身にまだらの模様が見られるは、長年の風雨による補修跡のようである。

しばらく睨み合ってみたが、まばたきもせずに凝視する眼光は、木面が剥がれ変色しているものの鋭かった。

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睨みをきかせる赤青の仁王像。四天王寺 

2020-04-21 16:44:31 | 歴史遺産「仏像」

伽藍の配置は、南から北に向かい中門、五重塔、金堂、講堂と一直線に並ぶ。
それを回廊が周りを取り囲む形式で、古い建築様式の伽藍である大阪 四天王寺さん。
寺院は色彩鮮やかな独特な趣きが感じられるお寺である。聖徳太子が創建した和宗本山のお寺としても知られている。


その四天王寺の中門で伽藍の守護神である仁王像が睨みをきかせている。向かって右側に赤色の「阿形像」那羅延(ならえん)金剛力士、そして左に青色の「吽形像」蜜迹(みっしゃく)金剛力士に、怪しい者ではござらん、伽藍見学と本尊お参りを、と問いかけると一瞬、怖顔から笑みが(?) 。勝手にそう思うと気分が高まる。


同寺の赤色、青色の仁王像は珍しい。なぜ仁王像に色が塗られているのか、と思い明確な理由は見当たらなかった。ただ、如来と菩薩は仏像の格は高い。悟りを開いているレベルなので金箔を施しているものが多い。
仁王像である金剛力士像は、格が下がるので極彩色で表現されている、ということになる。さあ、推測の域を超えないが、当たらずといえども遠からずであろう。


トップの写真は六時礼讃堂を背に眺め、背高ノッポのあべのハルカスを借景にした景色。

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仁王像では、唯一の国宝。東大寺金剛力士像

2020-04-20 16:23:50 | 歴史建造物

寺院を訪れるのは、その寺院に祀られている本尊を参拝することが第一の目的であるのは言うまでもない。

それ以外に寺院が所蔵する文化財を観に行く人、また雰囲気や空気感が好きで訪れる人も多くいる。

そして、私のように仏像に興味を持つ人たちも多いだろう。

奈良東大寺はなんといっても “奈良の大仏さん” で知られている寺院である。

鎌倉時代の初頭に南大門は再建され、そのあとすぐ、その門内に安置する金剛力士像(仁王像)は造像された。

その製作にかかわったのが運慶・快慶らと慶派の仏師たちである。

仏像の中でもとくに仁王像の魅力は、やはり大きさと迫力ある頑強な造形美であろう。

その中でも東大寺・南大門の仁王像は見事というしかない。

風雨にさらされる門内安置としては唯一の国宝指定を受けている像である。

通常、仁王像は二体とも門内で本堂を背に正面を向いているが、南大門の阿形像と吽形像は向きあっている。

これも珍しいとされている。

それは、風雨の被害をできるだけ避けるため仁王像同士が対面しあうように安置され

南側は閉鎖し保護されているわけである。

 

新型コロナウイルス感染騒動が終息した折に、奈良を旅されることがあれば、ぜひ東大寺へ。

そして南大門でしっかり本堂を警護する仁王像とご対面されるのも新たなご縁が生まれるはずである。

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