一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

308   火取虫快気祝いの師を囲む

2011年07月16日 | 

(ひとりむし/かいきいわいのしをかこむ)

 

火取虫とは、夏の灯火に集まって来る蛾などのことである。この句を直訳すると、火取虫が快気祝いの師を囲んでいる。つまり師が火取虫を集める電灯であり、生徒達が火取虫なのである。

 

時を経てもことあるごとに集い、今日は先生の快気祝いの席である。その集まりの実に和やかな雰囲気が感じられる。御高齢になった今でも慕われ続ける先生の人間性や表情、その昔先生を困らせた生徒達の悪童振りまで想像される。

 

自分達生徒を火取虫に例えた諧謔が、絶妙な季語の斡旋。

 

クチナシ(梔子)

 

コメント (2)
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