(はすのはなベンチにひらくたまてばこ)
小田原城址の濠に、蓮の花を見に行って来た。蓮は、咲く時にポンと音がする、という言い伝えがあり、それを聞くと幸せになる、という。勿論音など聞こえるはずもなかったが・・・・・
藤棚の近くにベンチがあり、お年寄りが弁当を開けようとしていた。その瞬間、「ああ、この人は浦島太郎だ」と思った。
つまり、玉手箱を開けるのは、お伽噺の世界などではなく、この世の現実なのだと実感したのだ。
竜宮城の飲めや歌えの大騒ぎは、若かりしころの楽しかった様々な思い出であろうし、玉手箱は遅かれ早かれ、私達はいつか必ず開けなければならない。
私の知り合いには、さっさと開けてしまった慌て者もいるし、一生開けるつもりのないような能天気もいるから、世の中面白い。