一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

293   片口の一滴干して昼寝かな   鼓夢   

2011年07月01日 | 

 

片口とは、鉢の一方に注ぎ口のある器のことで、本来は酒、醤油などを口の小さな容器に移すために用いられたが、最近では料理の向付として、又は日本酒をぐい飲みに注ぐ徳利の代りにも用いられている。これに片口イワシの干物でもあれば、最高の駄洒落だろう。

 

一滴とは、日本酒の一滴のことで、この時期だから、勿論冷酒に決まっている。最後の最後の一滴を残すまいと片口を傾けて飲んだのであろう。下戸には下品に感じるかもしれないが、呑兵衛としては、当然の行為と作者は、逆にそれを自慢しているのである。

 

さてさて、それからいよいよ昼寝である。全くいい御身分ですねえ。鼓夢さんのことだから、昼とはいえ二合は軽く呑んだであろう。俳号を「呑夢」さんに替えたらいかがですか。

 

オカトラノオ(丘虎尾)

 

コメント
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