一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

328  曳く蟻と乗る蟻もいて蚯蚓曳く

2011年08月06日 | 

(ひくありと のるありもいて みみずひく) 

 

 蟻に限らず、大抵の昆虫類は、自分の何倍もの大きくて重いものを運ぶことができる。

 

 フンコロガシ(糞転がし)なんか、見ていると実に可笑しい。「この先に、結構な段差があるけれど、上げられるだろうか」などと、ついつい心配してしまう。誰に命じられている訳でもないのに、必死に自分の体より大きな糞を転がしているのを見ると、そのエネルギーというか、生命力に感動させられる。道具を持たない彼らは、自分の体だけを使って生活している。

 

 ファーブルもきっとこんな風にわくわくしながら観察していたのだろう。昆虫はえらい、人間より絶対えらい、と私も思う。

 

 さて、4,50匹の蟻が、ミミズを曳いている。よく見ると、ミミズに乗っかっている奴がいる。彼を怠け者と断定するのは簡単だが、何か、特別な役割をしているのかもしれない。

 

 私の想像だが、乗る蟻は、曳く蟻に「それ曳け、やれ曳け」と気合を入れているんじゃないか、と思う。きっとそうに違いない。 

リョウブ(令法

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする