一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

335  奪衣婆の口に巣を張る小さき蜘蛛  薪

2011年08月13日 | 

(だつえばの・くちにすをはる・ちさきくも)

 

仏教には、天、人間、修羅、畜生、餓鬼、地獄の六道に世界を分ける考え方がある。地獄へ落ちる人間は、三途(畜生、餓鬼、地獄の三悪道)の川を船に乗って渡るのだが、六文銭を持っていないと、衣を身ぐるみ剥がされてしまう、という。剥がすのが奪衣婆で、閻魔の妻とも言われている。

 

日本各地に閻魔や奪衣婆、地獄から人を救うとされる地蔵菩薩が建てられた。地獄信仰が民間に広まったのは、特に江戸時代のことだそうだ。

 

さて、奪衣婆の口が、裂けるほど大きいとしても、そこに蜘蛛が糸を張るには、小さすぎるだろう。しかし、よくよく見ると、確かに小さな蜘蛛が巣を張っているのである。人間の地獄信仰を笑うかのように・・・・

 

奪衣婆

 

 

コメント (2)
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