一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

333  鰮船みすゞの海を曳きにけり  照れまん

2011年08月11日 | 

(いわしぶねみすゞのうみをひきにけり)

 この句の「みすゞの海」とは、かの「金子みすず」の生まれ育った、山口県長門市仙崎の海。そして、みすずの「大漁」という詩を踏まえての句。「大羽鰮」は、「オオバイワシ」と読む。マイワシの大型のことを言うらしい。以下、その「大漁」という詩。

 大漁      金子みすず

 朝焼け小焼だ大漁だ

大羽鰮の大漁だ

浜は祭りのようだけど

海の中では何万の

鰮のとむらいするだろう

  イワシになってしまったみすゞ、この詩の意味が分かっていても、政治家や官僚、財界や成金のボスになると、誰もが自分の人間性を見失うらしい。

 日本中の漁業会社が、この詩の「魚にも人間と同じいのちがある、食べ物には命がある、私達は毎日その命を食べている」という本来の意味を考えたら、獲れるだけ獲って金儲けようなどとは、思わないはずなのだが・・・・・・

 「金子みすず」の詩を発見した矢崎節夫館長にも賞賛のエールを送りたい。宮沢賢治を発見した草野心平と同様、その功績は大きい。

 尚、イワシに関しては、この句の作者「照れまん」さんのブログ「照れまん君の俳句歳時記」をご覧下さい。詳しい解説があります。

 

ウツボグサ(靫草)

コメント (2)
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