一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

340 また微熱つくつく法師もう黙れ   茅舎

2011年08月18日 | 

(またびねつ・つくつくほうし・もうだまれ)  ぼうしゃ

 

 先日、まだ立秋も来ていないのに、つくつく法師が鳴き始めた。

 

川端茅舎(ぼうしゃ)は、虚子に「花鳥諷詠真骨頂漢」と言わせた男。絵画にも真骨頂を見せたとか。しかし、結核のため四十三才で没し、兄龍子と共に、伊豆修善寺に埋葬されている。

 

 この句は、病に伏す茅舎がイライラ感を俳句にして楽しんでいる風情がある。決して本気で怒っていないような。

 

秋の蝶墓の茅舎にひらひらす    麥丘人

 

この句は、修善寺の茅舎の墓に参った時の句だろう。作者は、「さあどうだ、あんたの大好きだった蝶がひらひらしているよ、嬉しいよね。私の他の誰があんたに会いに来たのだろう」などと話しかけているんじゃないか。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする