一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

511  料峭やどれも海向く駅の椅子   正太

2012年03月02日 | 

(りょうしょうや どれもうみむく えきのいす)

 

「料峭」とは、春風が肌寒く感じられること。埼玉に近い東京に住むこの句の作者は、毎月2,3泊して、作陶と句会参加を兼ねて来遊している。電車で来るからできた句であろう。私など、年に2,3度電車に乗ればいい方だから仕方がないが、一本取られた気分ではある。

 

 目の前が海の駅、夏には海水浴客で賑わうだろう駅も、料峭のこの時期では人っ子一人いず、閑散としている。

 

さて、ここまで書いてきて、はたと気付いた。ホームには上り下りがあって、ほとんどの椅子が背合わせで対になっているし、改札の外などの椅子も、海に近い駅といっても東海道線などの複線では、必ずしも海向きとは限らない。

 

 そうか、この駅は単線なのだ。海が目の前にあって線路、そしてホームがある。乗降客のうしろは、きっと山だ。

 

 とすると、この辺では、「江の電」が最有力かもしれない。

 

コメント (4)
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