一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

518  ブルースを踊る手熱き春の夜

2012年03月08日 | 

(ぶるーすを おどるてあつき はるのよる)

 昔、男女20名づつ募集した公民館のダンス教室に応募し、半年ほど通ったことがある。ブルース・マンボ・ジルバなどほんの初級ダンスを覚えた頃、教室主催のクリスマスダンスパーティーをホテルで開催することになった。

 私は、パーティー券20枚を完売したのだが、買ってくれたのはほとんど女性であった。しかしそれが、悲劇 or 喜劇の始まりだったのである。

 パーティー当日、先生は生徒を集め、「パーティーでは女性が多く、男性が少ない。女性は壁のシミになりやすいので、男性は教室の女性とは必ず一度は踊ってあげて下さい」との話だった。つまり、私は教室の20名、券を買った20名、計40名の女性と踊らなければならなかったのである。

 パーティーが始まった。踊っていると踊っていない女性が壁に立っている。「次はあの人と踊らなければ」などと考えながら踊る。1曲終わると挨拶をして、直ちに次の女性を誘う。その繰り返しで、一度も休まず踊り続け、汗をびっしょりかき、悪夢のパーティーは終わった。しかし、それでも踊ることのできなかった女性がまだいたのだ。

 それっきり、私はダンスを止めた。

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