この句、昨日までは夏だったから「夏の内側、秋の外側」にいたことになる。ところが、今日は秋だから「秋の内側、夏の外側」にいることになる。つまり、(秋の)内側にいて、(夏の)外側にいる。昨日まではその逆だった、というわけだ。
屁理屈かもしれないが、理屈上はそういうことになる。
立秋によって、同じ場所で同じ生活をしていながら、夏の内側から外側に変わってしまった、作者の新鮮な驚きが感じられる。
とすると、この句は夏を見ている立ち位置だが、真後ろを振り返れば、秋と冬を仕切る透明なガラス戸が、もうそこに見えているに違いない。
カンナ(カンナ科カンナ属)