(うつぶせの かおのつぶれて なつのはて)
夏の終わりを「夏の果」という。この頃、ようやく涼しくなって朝晩の寝苦しさから解放され、熟睡できるようになった。
この句の「顔のつぶれて」というのが、実に面白い。この句の主人公が誰かを考えると、作者が女性だから、子供か夫ではないだろうか。まさか作者自身のことではあるまい。作者であるとすると・・・・想像するのは止めておこう。
畳などの固いものにうつ伏せに寝れば、模様が顔に型押しされ、つぶれたようになる。だから、酔っ払って畳にうつ伏せで寝ていた、ざんばら髪の亭主が最もふさわしいだろう。
富士山(十国峠より)