昔の話だが、友人から「月下美人が今夜開きそうだから、見に来ないか」という誘いがあった。ゲッカビジン(月下美人、英名: Dutchmans pipe cactus、A Queen of the Night)とはメキシコの熱帯雨林地帯を原産地とするサボテン科クジャクサボテン属の常緑多肉植物。大正頃、日本に持ち込まれたそうである。
洋物の花には、さほど興味はないのだが、酒と食事付きだし、一度くらいは見ておいて損はないだろう、という軽い気持ちで訪ねることにした。他にも知り合いの客が2人いて、宴会が始まった。ところが、肝心の花が開き始めたのが10時頃、開き終わったのは深夜1時頃だった。
待つ間に、私はついつい飲み過ぎて、結局ソファーで仮眠となり、時々起こしてもらう仕儀に。素面(しらふ)ならいざ知らず、私のような酒に弱い酔っぱらいには、月下美人の芳香も美しさも、全く無意味だったのである。
足長蜂の巣も仲間が増えて立派になってきた