一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1105   冬鴎去りて夕日の杭残る   喜久

2013年12月11日 | 

 杭に止まっていたカモメたちがねぐらへ去って、夕日に染まった杭だけが残っている。まもなく夕日も沈み、海は冬の闇に覆われるだろう。

 私は、この句の杭が作者であり、鴎が亡くした夫や妻と想像する。人生も終わりに近い孤独で実に淋しい情景のようでもあるが、実は杭に夕日が当たり、赤々と輝いていて、実は晩年を謳歌しているのではないか、と思う。 

 だからこの句は、決して淋しい句ではない。

 

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