窯焚きには、おおまかに言うと酸化・還元という2種類の焼成方法がある。還元とは、空気(20%の酸素)を絞り、不完全燃焼させて焚く方法。機関車や焚火の煙などもそうだが、燃料に酸素が足りないので煙が出る状態である。
ガス・灯油などは、燃料と空気(酸素)がコック一つで一定に調整できるから、酸化・還元は自由自在にできる。しかし、薪窯はそういう訳にはいかない。薪を投げ入れるのだから、薪の大きさなどによって、燃焼状態が秒単位で変化する。薪を投げ入れた瞬間は薪過剰になり還元状態、しばらくすると次第に薪が燃えて減り空気過剰の酸化になる。
さて、窯場の脇にマユミ(真弓)の木がある。最近、覆いかぶさっていた山桜を切ったので、もろに日差しが当たるようになった。真弓の葉も花も実も、息を吹き返したように元気になった。