(じょやのかね かことみらいの にじりぐち)
茶室の躙口は、およそ高さが66cm、幅が63cmで、千利休が京都・大山崎の茶室・待庵に設けたのが始まりだそうである。これは朝鮮の民家の出入り口を取り入れた、とも言われている。
刀を外し、誰もが頭を下げなければ入れない躙口は、利休特有の精神が意図的に表現されている。そして茶室の中では、一切の身分を捨てて対等な人間関係でなければならないのである。
ところで、虚子に「去年今年貫く棒の如きもの」という有名な句があるが実につまらない。掲句の方が余程いいと思う。