キマグレ競馬・備忘録

競馬、MLB、スポーツ観戦、趣味など気になる事を書いています。

本「属国民主主義論」

2019年05月10日 | Book

内田樹、白井聡による日本の政治社会についての対談。
前半は2016年当時の政治について、後半は日本社会の状況について語る。
日本は政治的には米国の属国であり、安部政権になって益々米国追従の立場が強くなった。
そういう意味では、日本はまだ独立国とは言えない。また社会は幼稚化が進んで、
物事を深く考えなくなっている。マネー信仰が強くなり、金軸で人を評価する風潮により
階級意識が発生。マスコミやメディアのマネー情報に流されてしまう。
金が全てなので、それが無いと精神的に参ってしまう。高齢者も若年層も考え方が幼稚化し、
精神的な貧困化が進んでいる。
今後の日本社会では、経済的な発展が期待できないのだから、経済発展しないことを前提に
どのような社会にすべきか考えるべきと言う。
様々な事例を取り上げていて、議論の内容は面白かった。日本の社会の問題点を指摘して
いるように思うけれど、昔から似たような識者による議論や指摘はあって、
その繰り返しのような印象もあった。(どこかの本で読んだことがあるような、、という感じ)
識者が理想を掲げても、政治の当事者ではないので影響力はほとんど無い。
いくら過激な言葉で議論しても、理想を実現させるのは難しいと思う。
読んでいて、なんだかそういうもどかしさを感じた。


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