著者は、長年格安の予算で世界を旅する旅行作家。
今回は世界での上位ランクの長距離列車に乗り、各国の鉄道事情の違いを体験する。取り上げた国は、インド、中国、ロシア、カナダ、アメリカ。長距離列車と言えば、ロシアのシベリア鉄道位しか思い浮かばなかったが、世界には色々な長距離列車があるらしい。インドの生活路線から北米の豪華列車まで国によって鉄道事情は様々だが、著者の旅は格安の予算のため、一般席、一般寝台の厳しい旅となる。とにかく持て余す時間(退屈との戦い)と居心地の悪さ(混雑や相席)食料の調達、風呂に入れない辛さ等は、どの長距離列車も共通している。長距離の鉄道旅には、多くの制約があることを覚悟する必要がありそうだ。
因みに、定年後に「青春18切符で日本一周気ままなひとり旅」を目論んでいたけれど、一度1日中普通列車に乗り続ける辛さを味わってからは、その気が無くなってしまった。問題はトイレ。歳を取るとトイレが近くなる。我慢できなくて何度途中下車したことか。憧れの飲み鉄旅も無理。(^^;)
著者は「作家」であり、旅行記を本にする目的があるので耐えられたのだと思う。