神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

鴨の宮

2023-04-22 23:31:31 | 神社
鴨の宮(かものみや)。
場所:茨城県行方市玉造乙。茨城県道116号線(鹿田玉造線)沿い「玉造第一保育園」の北東の三叉路から南東へ約110mで参道入口(案内板がある。)。民家の間の石段を上り、数分。駐車場なし。
「常陸国風土記」行方郡条に「倭武天皇(日本武尊。ヤマトタケル)が無梶河(梶無川)から行方郡と茨城郡の郡境の地に着いたところ、鴨(カモ)が飛び渡っていた。天皇が射ると、弓弦の音がすると同時に鴨が落ちてきた。この地を鴨野という。土壌が痩せていて草木は生えない。」(現代語訳)という記述がある。現・行方市玉造に「加茂」という地名(字)があって、これが遺称地とされている。「常陸国風土記」では、ヤマトタケルが鴨を射落としたことから、その地名が名付けられたような書きぶりであるが、そうではなくて、古くから賀茂氏の一族が住んでいた地域なのだろうと思われる(なお、茨城県桜川市に賀茂氏と関係がありそうな式内社「鴨大神御子神主玉神社」(2018年8月25日記事)がある。)
さて、「鴨の宮」は、後世、日本武尊の事蹟を記念するために村人らによって祀られたということだが、本来祀られた場所は別にあり、昭和2年、関東鉄道(平成19年に廃線になった鹿島鉄道鉾田線)の建設工事により境内が削られたため、昭和50年に、元は「石神神社」(通称:石神稲荷大明神)があった当地に遷座したとされている(元地については次項で。)。


写真1:「鴨の宮」参道入口付近の路傍にある案内板。


写真2:鳥居


写真3:鳥居の横にある倭武天皇(日本武尊)が弓を引く銅像(宮地久子氏作)と説明板


写真4:燈籠と石祠


写真5:境内の「石神神社遺跡」石碑。元の「石神神社」は「大宮神社」(2023年2月18日記事)に合祀されている。
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