道行く人が通り過ぎる時、達人を見るような視線を投げかけているような気配が感じられ、それは決して悪いものではなかった。流れ玉に当たって死なないように玉を深く山奥に囲っていたが、角の頭を受けるのを忘れていたので斜めに一つ上がって受けておいた。頃はよしと目を開ける。組み上がってみると穴熊対左美濃囲いの本格的な駒組みになっていたけれど、おじいんさんは目隠ししたついでに本当に眠ってしまった。正確に言えば少し僕の作戦負けだった。(安全な守備を優先したため、攻撃の主導権を失ったからだ)
このままでは戦いにならないとみて下敷きを振った。風を起こして木の上の鷹を呼ぼうとしたのだが、風は間違って前方に及び箪笥の上の竹串がいっぱい入ったバケツを落としてしまった。
「危ない!」
間一髪母が身をかわす。本当に危ないところだった。おじいさんはまだ眠っている。
「こんなことでおじいちゃんの身に何かあったらどうするのよ」
落ちた串を使って林檎飴を作ってもらった。
「串は捨てるの?」
母はすぐに否定した。
「子供たちが硝子細工をして行進する時に使うのよ」
先に明かりを灯せば更に綺麗だけど、練習だからつけないのだと言う。
「これをイチキャラーと言うの」
イチというのは数字の一だと後で知ることになった。
おじいさん以外の家族で出かけた。
「白雪姫やってるよ!」
姉が真っ先に見つけ、月にまで聞こえる声で叫んだ。
「上映中だそうよ」
母が小さな声で言った。上映中なので今は入ることが出来ない。
また今度と言って通り過ぎた。
このままでは戦いにならないとみて下敷きを振った。風を起こして木の上の鷹を呼ぼうとしたのだが、風は間違って前方に及び箪笥の上の竹串がいっぱい入ったバケツを落としてしまった。
「危ない!」
間一髪母が身をかわす。本当に危ないところだった。おじいさんはまだ眠っている。
「こんなことでおじいちゃんの身に何かあったらどうするのよ」
落ちた串を使って林檎飴を作ってもらった。
「串は捨てるの?」
母はすぐに否定した。
「子供たちが硝子細工をして行進する時に使うのよ」
先に明かりを灯せば更に綺麗だけど、練習だからつけないのだと言う。
「これをイチキャラーと言うの」
イチというのは数字の一だと後で知ることになった。
おじいさん以外の家族で出かけた。
「白雪姫やってるよ!」
姉が真っ先に見つけ、月にまで聞こえる声で叫んだ。
「上映中だそうよ」
母が小さな声で言った。上映中なので今は入ることが出来ない。
また今度と言って通り過ぎた。