寂しいメインストリート
土産物屋は定休日でもないのに
シャッターを下ろしている
駅
降りるものは1人、2人
終電の終わる
23時にシャッターを下ろす
20時は闇に包まれた街
川の流れる音だけがする
街に1つのコンビニ
夜とともに明かりを消す
世代が変わる毎に
街から人がいなくなった
にぎわう声は
田圃の蛙と野鳥たち
会話の消えた18時
鴉がかすれた声で鳴く
四方を囲う山々が
あっさり夕日を持って行く
何もないだけ空気がきれい
エモやんとオジーを聴いたマンションの
1階にあるアメリカの宿
(折句「エオマイア」短歌)
創作は言霊ひとつかっ飛ばす
主審がアウトコールしてなお
(折句「そこかしこ」短歌)
抜き取った狸のあとに浮かぶのは
何もないススキのセレナーデ
(折句「ヌタウナギ」短歌)
我何も正そうとせず思索へと
耽るすべては年齢のせい
(折句「渡し舟」短歌)
クマの説教に秀でたわんちゃんが
かっ飛ばすAメロ・モーニング
(折句「茎わかめ」短歌)