「桂ちゃん、すぐに助けに行くよ」
「みんな、僕に構わず中央を目指して!」
「桂ちゃん、どうしてそんなこと言うの?」
「自分の役目くらいわかってるさ」
「桂ちゃん」
「敵将は桂先の銀を選ばなかった。壁銀にして引っ込んだとこで僕の運命とこのゲームのモードが決まったんだ。僕が消えるまで、僅かだけれど確実に存在する時間に、みんなはできることをすべきだよ」
「どうにもならないの?」
「最初からわかってたんだ」
「桂ちゃん、何が?」
「僕ね、本当はただの消しゴムなの。だから……」
「いいえ、桂ちゃんは桂ちゃんだよ」
「ありがとう! さあ、早く、向こうの歩が伸びてくる」
「桂ちゃん、忘れないよ!」
「僕も……」
「さあ、みんな行くぞ!」
(私たちもすぐに行くからね)
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殺し屋のタグが弾けて泣いていたみんなが主人公はうそなの