眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ソーシャル・ディスタンス・ファン

2020-06-24 08:54:00 | ナノノベル
 長い拍手がようやく終わり、私が舞台に出ると途端に空席が目立ち始める。私のファンは大変モラルが高い。大入りだったものがあっという間に半分近くに。声援を飛ばすような無謀な真似をするファンは一人もいない。だんだんと距離を取り、後ろに下がり、やがては見えないほどに落ち着いてくれる。私は最大限に声のない笑いを取った。
 舞台の終わりはパラパラと小さな拍手。

(ありがとう。大切なファンよ)

 一人になってもあなたのために私は芸を磨こう。



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