「大事なことは記憶だけに頼れない」
人間の記憶はあまりに不安定にすぎる。
そこで頼りにするのがチェックである。
チェックと動作を紐付けて大事なことを抜かりなく実行するのだ。
では、チェックが先か動作が先か。それは案外、難しい問題かもしれない。一つの説を挙げると、人間は大事なことを行った後では比較的大事でないことの方は忘れがちというのがある。ここで言う「大事なこと」とは、当然「動作」の方である。つまり、先に動作を実行して後からチェックをしようとしても、大事な動作を実行したことによる安心感からチェックを忘れることがあるということだ。チェックを忘れるのは別に構わないと思うかもしれないが、そうではない。チェックがないとしばらく経ち記憶が曖昧になると、動作がまだ完了していないと誤認してしまう。
何のための「チェック&動作」であるか。それはその動作が一定の決まりを持っていて、安易に増減したりすることが認められないからである。(薬も過ぎれば毒になるのである)
まずはチェックを先にすることにする。
「チェックの後は間を置かずに」
チェックをしたことに安心して動作を忘れてしまうと、それこそ本末転倒だ。しかし、油断するとその可能性は十分にある。「チェック」はその動作を行った印である。本来であれば、動作が終わってからチェックをするのが本当だろう。理由があって例外的に逆にしているのだという意識を持たねばならない。
肝要なのはチェックをした後は間を置かずに、直ちに動作を実行に移すこと。(少しくらいいいか。わかっているから大丈夫。そういう慢心が一番危ない)例えば、その時電話が鳴った。家のチャイムが鳴った。反射的に優先順位を操作してしまうのではないだろうか。しかし、思い出してほしい。「チェック&動作」は時間の上でも紐付けされた約束事なのだ。電話が鳴ったくらいでルーティーンを壊してはならない。小腹が空いたからと言って、チェックと動作の間にチョコレートを食べるなど論外である。
「まるっきり忘れてしまうこともある」
それでも人間どうしてもうっかりということがある。忘れる時は、完全に何もかも忘れてしまう。チェックも動作もまとめて忘れてしまうので、「チェック&動作」もまるで機能しないことになる。その時は、もう心がどこかへ飛んでしまっているのだ。かなしいことに、それもまた人間の一面。自分には常に「大事なこと」がある。そういう意識を持ち続けることが、せめてもの抵抗と言える。
「私を殺す気か……」
SOSを聞いてはっと我に返る。そういう経験は、できればあまりしたくないものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます