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向こうに行けば会えるのかもしれない。次の瞬間には訪れるのかもしれない。動くことも動かないことも危険だ。多くの者はどうするのだろう。捨てた石が大化けすると思うと捨てられない。最初から宝石は見つからないから拾ってみるしかない。自惚れた待ち合わせは待ちぼうけに変わるだろう。僕は石を積み上げて石垣を作る。
少し気が緩んだのか。石の隙間にファスト・フードができていた。
「ご一緒のポテトはどのようにおつけしましょう?」
「いいえ、結構」
「それでは私が悪者になってしまいまいます。ピアスのように? 最後の晩餐のように?」
「じゃあ普通で」
「本日はお持ち帰りいただけません」
店員は申込用紙をカウンターに置くとすべての個人情報を書くように迫った。
「全部ですか」
「行政からの指導で」
どうも話がおかしいのは、石の組み方が甘かったからだ。ほんの少しでも隙をみせれば、あらゆる方向からツッコミが入る。備えないものは滅びる。四六時中気を抜くことはできず、休日と言えどもオフラインにすることは不可能。生きている限りはオンなのだ。恐ろしき野生の時代。
他国からのサイバー攻撃によって、注文は大混乱に陥った。
飛び交うナゲットの中で助かる道を探す。
午後3時の期待は大型アップデート。
「今回のアップデートによって無数のバグが修正されました!」
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