眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

僕は分身の術が使えない

2019-08-23 02:53:00 | 【創作note】
頭からお湯を被って
おかしな頭を泡立てようと思った時に
いざシャンプーがなかったら……
とびきり素敵なフレーズが浮かんだ時に
そこにメモ帳がみえなかったら……

もしもそんなことになったら
僕は路頭に迷ってしまうから
今そこにある分だけでは安らげない

もう一つのシャンプーを、もう一つのメモを、
ペンを、お茶を、折りたたみ傘を、
モバイルバッテリーを……
もう一つ、もう一つ、できればもう一つ、
もっともっと、もっと、もっと、もっと

自分自身が一人であることの不安を、
ほんの少しでもフォローするために、

明日のアップロードがなくなってしまう前に、
ここに一つの「下書き保存」を、
もう一つ、もう一つ、もう一つ、
いつか書いた詩を、いつか書き損じた詩を、
いくつも、いくつも、いくつも、
「下書き保存」(これではまだ不十分)

キッチンの底には
忘れられたいつかのレトルトカレーと
古ぼけたポエムが眠っている

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おじいさんの焼き飯 | トップ | ハーフタイム・ジャーニー »

コメントを投稿