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「止められてるんだろ」
「ああ。でもいいんだ」
「自分を大切にした方がいいんじゃないのか」
「でも譲れないものってのがある」
チャカチャンチャンチャン♪
「譲れない?」
「例えば夜布団で眠る時、枕がなかったとしたら?」
「枕? なくても平気だろ」
チャカチャンチャンチャン♪
「例えば、人生に仕事がなかったらどうかな?」
「ああ。楽しいだろうね」
「まあ、お前はな」
「そう。しかし人生にはパートナーがいた方がよくない?」
「いや、別にいらないね」
「お前はええよ。そう言うよな」
「そうだけど」
チャカチャンチャンチャン♪
「夏に欠かせないものってあるじゃん」
「そうか?」
「花火、スイカ、お化け、盆踊り、かき氷、蚊取り線香。ねえ」
「夏に興味ないな」
「まあ、お前はそうなんだよ」
「ああ」
チャカチャンチャンチャン♪
「とにかく。欠かせないものってあるんだよ」
「例えば?」
「例えなくてもあるんだよ」
そう言ってジョーは丼を抱え、赤く染まったうどん出汁を幸福に満ちた表情で飲み干すのだ。
ジョーの終末時計が3分進んだ。
チャカチャンチャンチャン♪
「そんな飲んで大丈夫か?」
「このために生きてるんだよ」
「えっ?」
「生きるより上ってことさ」
チャカチャンチャンチャン♪
「じゃあ止めても仕方ないな」
「そうよ。みんないつか終わるって……」
チャカチャンチャンチャン♪
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