炬燵は今は村になっていた。容易に入り込むスペースはない野生の村だ。最初の友達が招かれた日、もっと警戒しておくべきだった。それを受け入れてからというもの、凄まじい勢いで村は繁栄していった。世代をまたぐサイクルを甘く見過ぎていた。スピード感が人並みではない。厚い布の向こうには特別な時間が流れているのである。特別に寒い夜にはあの暖かさが懐かしくて、ついつい足を入れてみたくもなる。少しくらいなら……。元々は我が家のものだったと足を伸ばしかけてみる。
「人間の足はお断りにゃ!」
身内にだって容赦ない。うちの猫も今や誇り高き村長なのだ。
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