「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

世界の株式市場の二番底はあるのかないのかを考えるがよくわからない・・・@鎌倉七里ガ浜

2020-05-23 08:45:35 | モノ・お金
米国株式市場の代表的インデックスS&P500のグラフをどうぞ。


【出所: Yahoo Finance】

その他主要国の株式市場も似たようなものだ。よくここまで回復したね。

米国の場合、2/19の高値から3/23の大底へ。そしてそこからの回復。で、今後どうなる?

こうした相場急落後の回復の動きを予測する際、多くの人が過去に経験したパターンから今後を類推するだろう。ブラックマンデーの時はどうだったとか、ITバブル崩壊の時はどうだったとか、金融危機の時はどうだったとか・・・。

そしてそれら経験によれば相場が崩れる過程でVIX指数(市場参加者が予想する当面の市場の変動性)が最高値をつけてから、数か月経ってからでないと(長ければ4カ月程度経たないと)、本当の回復は訪れない。ということは、2/19に史上最高値をつけ急落し、3/23につけた大底はまだちょっと早すぎる。以前何度か書いたがVIX指数が歴史的高水準に達したのは3/16だ。したがって5月~7月にどこかで二番底があって、その後本格的回復軌道に入りそうなものなのだが、今のところその気配がない。

上のグラフはどう見ても上昇のエネルギを失ったように見えるし、先週金曜日の15日と今週月曜日の18日の間に大きな窓が開いたのだ。これだと、小さくてわかりにくいですね。

5/1以降の部分を拡大して見てみましょう(↓のグラフ)。


【出所: Yahoo Finance】

これならわかるでしょう? 窓(空白地帯)があるでしょう?

通常なら相場はその後この窓を埋めに行くわけで、だったら今週どこかで下げるなと思っていたが、それもないまま高値圏でウロウロして終了。最近としては狭いレンジだ。上もないし、下もない。

上昇するエネルギーを失ったかのような市場だが、大きな下落もない奇妙な拮抗。

昨日の日本経済新聞に、珍しくタイムリーな記事が出た。それによれば、二番底を探る動き(=もう一回大きく下げること)はこの先もないかもしれないという。



なぜなら過去の例とは異なり、今回は株式相場が急落してすぐに今後やって来るであろう経済の最悪な状態がある程度予測されてしまったからだそうだ。世界の主要国の主要都市は人為的にロックダウン状態に入り、それによる経済の急激な縮小の規模がかなりな程度事前に予想できたのだ。

そして実際そうなった。たくさん経済統計のグラフをこれまでに掲載したと思うが、これもすでにこのブログで使ったグラフだ。

米国の失業率速報値(↓ 出所:米国労働省)。



いきなり過去見たことないような水準に跳ね上がった。

米国の非農業部門就業者数の増減速報値(↓ 出所:米国労働省、前月比、季節調整済み)も同様だ。いまだかつて見たことがない大きな変化。



しかしこれらが出た日も、市場は驚かなかった。

いつもなら、景気は将来悪くなるのかな、どうなのかな??とみんなの頭の中が「???」となりながら時間がどんどん過ぎて行くものだが、わずか1-2カ月の間にすごい水準の経済の悪化が予想もできたし、結果として相場の底もハッキリと見えてしまったのだ。なので、終わり。市場は常に先読みで、見えてしまったら終わり。だから二番底は無いまましばらくは上がって行くかもしれないという説が、昨日の日経新聞に書いてあったお話だ。

それを読んで「じゃ、今からでも買えばいいのね!」と皆が買いに行ったら、それはそれでまたその上げの期待は終わってしまい、今度は下げるから、気を付けてね。

こういう時はやはりドガティ君・・・、じゃなくって。



久々に古典を引っ張り出してきた。

投資に関する古典だ。バートン・マルキール先生著の「ウォール街のランダム・ウォーカー」第八版の和訳。

1970年代から版を重ね続けたベスト・セラー。累計150万部ほど売れたらしい。最新版は第十二版のはずだ。マルキール先生からこき下ろされ、存在意義を否定されたかの如くの投資及び資産運用界のプロたち(チャーチストや株式アナリスト)からは、すこぶる評判の悪い本だ。マルキール先生によれば、チャーチスト(過去のパターンから今後の相場のパターンを類推する人たち)や、株式アナリスト(チャーチストよりはもう少し科学的に株式の経済的価値を測る人たち)のやっていることにあまり意味はないらしい。



ザクっとまとめれば「株価の動きはランダムで、直近の過去がどうだったか?なんてことからは影響をまったく受けない。ルーレットやサイコロで奇数が出る確率は、その前が奇数だったか偶数だったかという事実とは無関係に、常に2分の1だというのと同じだ。だから過去の株価の動きのパターンから今後を予測するという、チャーチストたちのやっていることに意味はない。また株式アナリストがあれこれ調査分析し推奨する株式銘柄でポートフォリオを構成した投資信託の運用は、ダーツ・ゲームでもやって偶然ダーツが指し示した株式銘柄でポートフォリオを構成したファンド運用と、結果はたいして変わらないくらいだ。それなら手数料が安いインデックス運用でもやった方がいい。実際、有能だとされ高給をもらうアナリストやファンドマネジャーが束になって運用する投資信託は平均的に言って長期的にインデックスに勝っていないから・・・」というのがマルキール先生の著書の主張だ。

マルキール先生の主張はおそらく正しいのだろう。実際の世界がそうだからね。伝説のファンドマネジャー、ピーター・リンチ氏等ほんの一部の例外を除き、運用のプロは市場平均に勝っていない。プロがあの手この手で運用する手数料が高い投資信託も、多くがやがて消えてゆく。



ということで、私はいつもインデックスのお話をしている。私が証券会社が次々と売り出す新奇な投資信託に興味がなく、専ら米国株式市場の代表的インデックスであるS&P500のETFを買っているのも、そうした理由による。

しかし今回のように株式市場が急落したのち急回復し、普通なら1年や2年あるいはもっとかかってやっと得られるような大きなリターンの変動が、わずか1~2カ月の間にプラスあるいはマイナスの方向で見られる時って、いつ売買を執行するかで天国地獄。したがってマルキール先生が否定するような手法で、私はタイミングを考えている。それしか方法がないからだ。

今後このS&P500はどうなるんでしょう?


【出所: Yahoo Finance】

みなさん、どう思いますか? どう見ても今週月曜から金曜までの動き(右端の5本の線)は天井形成で、今後は下げのように見えるがなぁ・・・。

さっぱりわからなくなって来た。買うチャンスはないまま上がってしまうのだろうか。そうなんだよねぇ、常にわからないんだねぇ。

オマハの賢人ことウォーレン・バフェット大先生も、今はわからなくなっているらしいよ。

妻が安く仕入れたバンガード社のドル建てETF、米国小型株式グロースはS&P500を凌駕して絶好調で上昇中。


【出所: Bloomberg】

BloombergでのこのETFのコード番号はVBK:USだ。誰でも無料で動きが見られますよ。
コメント (14)
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