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失敗の研究 巨大組織が崩れるとき |
クリエーター情報なし | |
日本経済新聞出版社 |
最近、中小企業のコンプライアンス研修をしばらくやっていた関係で、興味を持って読むことができた。本書の事例には、全て大企業の事例である。理研、マクドナルド、代ゼミ、べネッセ、東洋ゴム、ロッテ、三井不動産、化血研、そしてEIE、長銀、アムウエイ、そごう、雪印、郵政と道路公団、武富士、カネボウ、JR西日本、日本航空に海外ではGM。
この中では、私、ライフライン企業に勤めていたせいか、特に興味があったのは、東洋ゴムの耐震偽装、三井不動産の杭の不正、JR西日本の現場無視の暴走といったところか。
組織の論理が優先し、耐震ゴムの性能をごまかす、杭をきちんと打たない、経営効率優先で現場に無理をさせる、などいずれも組織の不正だ。私の所属する業界も、かつてガス器具の不正改造や、補助金の不正など大企業がコンプライアンス違反を冒していた。
以前、「ローマ人の物語」という本を読んだが、組織はいつになっても変わらない、いや人間が変わらない、いや組織の中の人間は、二千年も経つが成長しないのである。
企業コンプライアンスといえば、この検定、ビジネスコンプライアンス検定がメジャーで、お勧めです。コンプライアンスとは何か、法令違反だけではなく、その上の社内ルールや倫理規範の違反までを含むのがコンプライアンス。また検定はもとより、本書「失敗の研究」もお勧めですよ。