kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

どこへ向かうのか

2020-04-05 | 陸上競技
親しい指導者から同時に連絡がありました。




日本陸連が6月末までの競技会の中止・延期を通達したようです。これによりゴールデンウィーク中の県選手権は確実に中止になると思います。以前からこれは「やるべきではない」と考えていました。関東の方からも大学生が戻ってきます。そうなると感染リスクは格段と上がります。5月末にある県総体を実施するためには全てのリスクは避けるべきだと考えていました。

が、6月末までの競技会の延期・中止となると目標にしていた県総体も実施できないのではないかという話になります。私自身はこのような状態になった時から「インターハイの開催は無理ではないか」と考えていました。日に日に状況は悪化している。東京では都大会自体が開催はできなくなる。そうなると代表が決められないのにインターハイができるのか?全国の選手が1カ所に集まるというのが本当にできるの?そう考えて周りには話をしてきました。

土曜日。選手には「県総体を目標に」という話を少しだけしました。今は記録会自体がありません。この冬で高まった力を持って発揮する場所さえない。県総体が実施されれば「力を確かめる」機会は与えられる。そこに向けてやっていこうという話を。モチベーションが維持できない、上がらないというのはあると思います。しかし、県総体が実施されると決まってから気持ちを高めるのではなく5月末に向けて少しずつやっていこう、と。

競技会延期・中止の話をして聞いてすぐに選手からも連絡が「本当ですか?」という不安に満ちた内容でした。県総体が中心となるとこれまでやってきたことが出せないままになります。進学校では「支部大会」で引退する選手もいます。大半の選手が「県総体」に出場して3年間の「節目」を迎えます。やってきたことを示す場だと思っています。「記録」はもちろんですが「勝ち上がる」ということを目標に掲げて辛い冬を乗り越えてきた。それが「力を示す」場所が奪われるというのは言葉に表現できない感情があります。

まだ確定事項ではないので何とも言えない部分があります。力を発揮する場所さえないまま引退をする選手が大半になるのかもしれません。大学で競技を続ける選手は続けていくのかもしれない。本気でやっていた選手ほどこの現実は受け入れられないと思います。

「記録を出すこと」と「勝ち上がること」は高校生にとって大きな意味を持つと考えています。「速いだけ」ではなく「精神的なタフさ」や「ラウンドを上がっていく中で力を出し続ける」という部分があるからインターハイ路線の試合は厳しさがあります。「記録」だけでは勝ってはいけない。そのことを踏まえて話をしてています。

しかし、その競技会が行われない。ひょっとしたら7月に県総体があるのかもしれない。それが秋になるのかもしれない。日本陸連とは関係なく「記録会」をやることはできないだろうか。県総体が実施される予定の日に人が集まらないように支部大会規模で「記録会」が実施できないだろうか。もしも引退をする選手がいれば「走って終わる」という形にしてあげたい。それは世界情勢とは逆をいく考え方なのかもしれない。

何となくやってきた生徒もいる。「記録が出たらいいな」という気持ちでやっていた生徒もいる。「絶対に記録を出す」と考えてやってきた選手もいる。人それぞれ「目的」があっていいと思う。それぞれに「終わり」は来る。どのような形であっても「陸上」や「陸上競技」の終わりは来る。その最後をどのように迎えさせるか。このは大きいのではないかなと考えている。

全員が大学で競技をやるわけではない。高校で競技から一線を引く選手が出てくる。こちらの方が多いと思っている。どのような選手であっても「終わり」は迎える。その最後をどうするのか。ここに尽きる気がしている。

私の考え方は間違っているのかもしれない。目の前で必死に取り組んできた選手の「想い」は感じ取らなければいけない。「これでもうやらなくて良い」と思う者もいれば「納得できない」と感じながら悶々とする者も出てくる。

何らかの形で正式に記録を計る場面が設定できたら良いなと感じている。それが県総体であれば...。中国大会やインターハイが実施されるのはかなり厳しいと感じてきた。だから選手には「県総体」を目標にという話を続けてきた。これからの情勢を見ながらになるとは思う。「県総体」が中止になった時点で「引退」という生徒が出てくるのは仕方ないことなんだと思う。この情勢の中で受け容れざるを得ないのかもしれない。簡単な話ではない。

憎むべきはコロナウイルス。そして、周囲のことを考えない行動をとる人達。もちろん最大限の配慮をしてもこのような世界情勢を避けられたとは言い切れません。が、もっと何かできたのではないかなと...。1ヶ月間、「部活動中止」となっていた期間本当にやりませんでした。同じメニューを同時に消化するというのはリスクがある。1カ所で同じことをするというのは屋外であっても避けるべきだと考えてやってきました。

どこへ向かうのか。見えません。日本中の選手の気持ちを考えると簡単な言葉では言い表せません。各方面の判断を待つしかないというのが現状です。辛いですね。

コメント
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