茫洋物見遊山記第177回&鎌倉ちょっと不思議な物語第339回

鎌倉市役所を越えて隧道の先を100メートルほど歩いた右側に昭和九年(1934)三月 に鎌倉町青年団が建てた石碑が立っている。
そこには、「蓮華寺は仁治元年(1240)北条常時の創元にかかり 僧良忠を開山とせしが 寛元元年(1243)之を材木座に遷し 寺号を光明寺と改めし由伝へらる 又一説に蓮華寺は経時の菩提の為 建長三年(1251)北条時頼之を建立し 後弘安二年(1279)の頃 武州へ遷せりともいふ 此谷を佐介ヶ谷(さすけがやつ)と唱ふ」
とその来歴が刻まれている。
もともとこの石碑は、蓮華寺跡と思われる松が谷内(登記所西側谷戸)に建てられたのだが、藤沢-鎌倉線の開通に伴っていまの地点に移された。遺跡はこの石碑からかなりへだたった場所にあることになるが、いまその場所を特定することはできない。
されど私が愛読している貫達人著「鎌倉廃寺事典」を調べても、この蓮華寺に関する記述がないのは不思議である。
寒くなれば冷たい暖かくなれば熱い風が出るそんなエアコンと暮らしています 蝶人