五味太郎作「とんでやすんでかんがえて」を読んで
照る日曇る日 第2158回
トリだかミツバチだか分からない主人公が、ちょっと飛んではちょっと休み、また飛んでいくようにすれば、10里の道も一歩から、世界の果てまで飛んでいける、という話なら分からないでもないが、この主人公はもっと大きくなるまではそれほど遠くに行けないと悟って、「それまではもりへかえって、あそんでいよっと。それがいい、それがいい!」と考えて、元来た森に帰っていくという妙に「教育的な」お噺でつまらない。
それに主人公の旅のお供は「木の実」だといいうのだが、それを「このみ」ではなく「きのみ」とひらがな表記して。まあ「きのみ」でも間違いではないが、一般的な表記としては「このみ」でしょう。
偕成社から出たばっかりの最新作だが、私はあんまりお勧めしません。
大変と思えば何でも大変だが思わなければ大したことなし 蝶人