ある晴れた日に 第738回
顔色一つ変えず「只今第3次世界大戦が始まりました」と報ずるホラン千秋
「ガザに住むパレスチナ人は皆殺せ、男も女もみなみな殺せ」
「黄昏のビギン」の歌声に送られて旅立ちゆきし憲法原理主義者
大相撲も世界野球もとく果てて雨降りやまず霜月の夜
いつまでも生きてほしいと願えどもあっという間に消えていくなり
俊太郎、火野正平、北の富士、毎日旅立つ懐かしき人
食べ過ぎると「柿胃石症」になると言われたが我は子規のごと一度に5、6個食いはせぬ
プラ袋に一片の紙を見付け出し厳しくダメ出すゴミ収集員
出てくれば間髪容れずテレビ消す斎藤、玉木、橋本、トランプ
悪人をまた知事にする人々の脳味噌に住む魑魅魍魎
善悪の区別ができぬ人々の脳味噌に住む魑魅魍魎
フジバカマを庭に咲かせて良かったなキタテハが4頭も蜜を吸ってる
「手取りを増やせ」で圧倒的人気のタマキ君次期国会で首相を目指す
アホバカの宮川大輔が糞味噌にうまいうまいと絶叫している
脳味噌で捻くり回した詩歌ほど嫌いなものはあまりない
プラッシーに似た金髪男が乱入し世界中を滅茶苦茶にする
横須賀のヴェルニー公園に凛と咲く深紅の薔薇よシモーヌ・ヴェーユ
うっとりと目を閉じながらアンパンの餡子を味わう佐々木の耕くん
イスラエルは北条政権によく似てる出てくる敵をみなみな殺す
「ほぼほぼ」と言われるたびに面食らう「ほぼ」はほぼ一回だけにしてよね
障害の息子を背負いて来た筈が息子に負われて来たる道なりき
徒に齢を重ねしマエストロの昔に変わらぬブラームスを聴く
蜘蛛の糸を這いあがってきた赤鬼がお前ら帰れと仲間を脅す
鎌倉で絶滅ときく市花竜胆いつもの崖に縹色に咲く
天丼をてんやで頼もうと思ったがデジタルで発注せよと
「天丼の並ください」と口でいうパソコン画面で発注できず
軽々に死にたいなどと言うなかれ生きたい生きたいと願いて逝きしを
姉上よりABCに分けて賜りし段ボールの柿をAから食べる
川崎のゆきおも死んでこの国も私も一入ダウニーになる
大リーグ日本リーグに総選挙大統領選挙と出し物続く
鎌倉やこの家もまた死人あり
20億光年の彼方に帰る詩人かな
勇み立つオーケストラの全奏が揃わないのもいいではないか 蝶人