森永卓郎著「身辺整理」を読んで
照る日曇る日 第2161回
原因不明のガンで残念ながらとうとう昨日67歳で命終してしまった反権力の人、森永卓郎の遺著である。
ここでは主として彼自身の終活について書かれているが、なかなか参考になることが多い。私も家族から早く書斎の雑多な本やCD、DVD、レコード、カセット、オーデイオ装置などの始末をせよと日夜要請されているのだが、著者はネットで良心的な業者を見つけて、お金を掛けずにモノを処分できたようだ。
私もそろそろ読まない本や使わなくなったパソコン、ガラケー、もはや見ることもなさそうな録画済みのビデオ類は計画的に捨てようと思わされた。PCはリネット・ジャパンというところに頼むとHDのデータを消すアプリも無料で提供してくれるそうだ。
著者は父親の資産の在りかがなかなか分からなかったために、えらく苦労したそうだが、私も雀の涙ほどの自分の資産のリストを今のうちに作り、通帳や各種SNSの暗証番号を一覧表にメモしておこうと思った次第です。
意外なことに、著者は父親の転勤でボストンとウィーンで少年時代を過ごしたそうだが、そこで徹底的な人種差別を受けたそうだ。
あそこは保守的な街だからいかにもな話だが、著者が偉いのは、「だから絶対に人を差別しない」という信条を、その後半生で貫き通したことだと思う。差別された人間は差別を繰り返す。私なら終生恨みまくって差別しまくるに違いない。
ところで経済の専門家の著者は、今はずっとバブルの時代で、もうすぐ株価は暴落し、とてつもない円高がやってくる、と断言しているのだが、ほんとのホントだろうか?
彼はここでマルクスが指摘したという資本主義の限界は、1)許容できないほどの格差社会になる。2)地球環境が破壊される。3)少子化が止まらなくなる。4)人々が仕事に生きがいを見出せなくなる。の4点に現れるという示唆を持ち出しているのだが、そんなことほんとにマルクスが言うたのだろうか?
人類が滅亡するまで89秒「めだかの学校」を唄って死のう 蝶人