あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

清水茂詩集「一面の静寂」を読んで

2020-02-14 14:38:42 | Weblog
照る日曇る日 第1353回

こないだからピーター・ゼルキンが死に、ミッラ・フレーニが死に、野村選手が死に、会社の元上司が死に、毎日のように近所の誰や彼や、元校長先生の愛犬もあっさり死んでしまうと、今話題の新型肺炎ならずとも、いつ自分の番が来ても仕方がないなあ、と諦めに似たうら寂しい冷めた覚悟のようなものすら出来てくるから悲しい限りだ。

今年の1月、つまり先月87歳で逝去されたばかりの作者の遺作を、つらつら暗いスタンドの光の下で眺めるようにして読んでいると、恐らく愛する人に先立たれた老人の最晩年の心境とは、このように孤独なものであろうという実感が、ふつふつと湧くき起こってくるから、なにやら死の予行練習を畳の上で行っているような気がしてくるから、哀れというも愚かである。

今を去る半世紀の昔に、私はこのこの本の著者の授業に一度か二度くらいは出たことがあるので、その眼鏡をかけた温顔と少し語尾が濁ったような口跡の記憶はあるのだが、翻訳のほかに詩を書いておられたことは寡聞にして知らなかった。

作者にとって毎日毎朝の天候や庭先に咲く一輪の黄花すら、それこそ一期一会の出会いと別れであり、淡々と眼前を推移してゆく日常茶飯、森羅万象に対する思い入れが尋常ならざる切実さで胸に迫ってくるのである。

救われるのは、その物言いに重苦しい感傷がなく、死にゆくみずからをあたかも無二の戦友である第三者のように見做している透徹した客観性と、今ここと彼方を結ぶ点線の間に、微かな希望のようなものが読み取れることだろうか。

老残のわが身に、このように美しい悟達の心境が訪れるのは、果たしていつの日のことだろう?

  あの人はちょっと左巻きなんだ そう思われて夕焼け子焼け 蝶人
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前川佐美雄歌集「捜神」を読んで

2020-02-13 11:04:41 | Weblog
照る日曇る日 第1352回

歌を読む前に、ユニークな題名に躓く。神はとっくの昔に死んだはずなのに、いまなおそれを追い求めるというのか?

歌は強固な言語の鎧に包まれており、その生また狷介であるようで、私のごとき軽薄人間にはなかなか近づきがたい。

みづからを足蹴になして苦しみし二十年前と今のおのれと
あな低く卑しくなりし顔よなとあたりを見ればわれさへありて
かくありてわれは亡びむほろびゆく明日の支度も悲し世の中なか

そもそも敗戦直後の農地改革で広大な土地をことごとく国に没収されたからには、その後の人生を口笛を吹きながら朗らかに生きていけようはずもないだろう。

無一物になりて故郷に梅花を見る農地は全部解放したり
しばしばも夜逃げせし親の子なりしが戦後産をなしてあひに来たれる
笠置シズ子があばれ歌ふを聴きゐれば笠置シズ子も命賭けゐる

戦後のどさくさに抗いながら命賭けで生きている作者にして初めて笠置シズ子の命賭けがくっきりと聞き取れたのである。

ひんがしは川なり西は森みなみは野北は山にして骨を埋めむ
さまざまのよき死にをして終りたる昔びと思へみな凄まじき
戦争の餓鬼がまた来る人類の血をあますなく欲る餓鬼が来る

あおによし奈良の都で平和な晩年を迎えたいと作者は望んだろうが、その願いは叶わず、1970年、67歳にして作者は茅ケ崎に転居。第2の人生に痩身を投じていくのであった。
 「さまよえるオランダ人」にさも似たり世界をさすらう大型クルーズ 蝶人
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主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集NO.26」

2020-02-12 11:55:47 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話第334回



ゴルフコンペ/幹事の雑誌編集長のスピーチ

○リラックスした雰囲気でゴルフを楽しむ

本日は、皆さまお忙しいところ早朝よりご参集いただきまして厚く感謝いたしております。

*①私は「日本ファッション・ジャーナリスト倶楽部」主催の第一三回ゴルフコンペの幹事を仰せつかりました同文社「ア・ラ・モード」編集長の加勢と申します。今日いちにち、どうぞよろしくお願いいたします。さぞや行き届かぬところが多々あるかと思いますが、その節は何卒ご容赦くださいませ。

*②さて、皆さまご承知のようにこのゴルフコースではこの前、三十数年ぶりに日本で開催された国別対抗戦W杯が開催されました。タイガー・ウッズおたくの私は、四日間彼の華麗なプレーを追っかけまして、その素晴らしさにすっかり魅了されました。

とりわけ凄かったのは首位と2打差で迎えた最終日の18番。サンドウエッジを握ったタイガー・ウッズが、スピンを利かせた絶妙なタッチで12メートルを見事にねじ込んだ「伝説のイーグル」を目の当りにできて感激でした。*③

タイガーは、ゴルフの腕前も最高ですけれど、なんたってウエアの着こなしがかっこいいんですよね。ずば抜けたファッションセンスなんです。最近は日本の選手もゴルフは強くなってきましたが、ファッションセンスはいまいちですね。少しはタイガーやデュバルを見習って欲しいと思います。おやおや、自分の商売柄でついつい余計な話をベラベラしゃべってしまいましたが、皆さま、今日は業界やビジネスのことは忘れて思いっきりエンジョイしてくださいね。

*④今日は朝からお天気も最高。この日本を代表する最高のコースを舞台に、皆さまがタイガーにあやかってフルに実力を発揮され、最高のスコアをお出しになりますように、幹事のとして心から願っております。

プレイ終了の後は、いつものようにクラブハウスで素敵なお料理と豪華な賞品が待っていますので、どうかお楽しみに。

*⑤それでは皆さま、ハブ・ア・ナイスデイ!

○ スピーチのポイント

① ゴルフを早く楽しもうとソワソワ、ウキウキしている場面では長たらしいスピーチは嫌われます。話はスピーディに進行させ、早い目に切り上げます。
② 開催地やコースの特徴、最近のプロ大会記録などをスピーチに盛り込むと印象に残り、当日のプレイに親しみが湧きます。
③ ゴルフ好きなら誰でも関心のある話題を提供して、参加者の耳目をひきつけます。
④ ここからがスピーチの終結部。ここでは最高という言葉を意識的に三回使用してスピーチの形式を整えています。
⑤ 仲間内同士なら、このようにくだけた表現も効果的。

  分別も金もありそなタレントが「ハズキルーペ大好き!」と叫ぶ 蝶人

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聖書協会共同訳2018年版で旧約聖書「ヨシュア記」を読んで

2020-02-11 10:25:40 | Weblog

照る日曇る日 第1351回

モーセの後釜がヨシュアなんだけど、先輩に比べるとあんまり精彩なく110歳で命終、いや昇天してしまう。「ヨシュア記」なのに、御仕舞ごろには主語がモーセになってしまうのは哀しいが、こころへんは古代の聖書編集者の手抜きと思われる。

んで、前編の「申命記」もそうだったが、「ヨシュア記」になると、神の支援を受けたイスラエルの武力侵略ぶりが物凄い。王様と男だけでなく女子供、ウシ、ロバ、ラクダまで皆殺しにしてしまうが、こんな見境なしの民族虐殺が許されるのだろうか?

読者はほぼ全員がイスラエル側だろうから、痛快無比の領土回復物語!と快哉を叫ぶのだろうが、無宗教で中立の小生などは、読んでいて戸惑い、吐き気がするほど腹立たしい。

ヨシュアを指導者とする武装集団が占領したのは、章末に誇らしげに記されているように、ヨルダン川の東岸西岸はもちろん、北はヘルモン山周辺のアラム地方からエルサレムよりずーーと南に下がって、死海の西岸までの広大な地域なのだ。

その中にはもちろんエジプトに脱出するまでに先祖が住んでいた場所も、一部あるにはあるが、その大半が、別の宗教と文化を守っていた先住民たちの古来からの領地だ。それを文字通り「神懸った」集団が問答無用の通り魔の如く襲い掛かり、住民を皆殺しにして領地を籤で山分けした!というから只事に非ず。ではない。これでは彼らの天敵、ナチのホロコーストに匹敵する恐るべき凶行ではないか。

彼らの故国は「ヨシュア記」にも記されているごとくユーフラテス川の遥か向こう側にあった。それがなんで彼らの神が勝手に約束した土地に侵攻を図ったのか? 宗教的偏向から解放された正気の読者は、まずそのことで躓き、こんな「怒れる=イカレタ神」を担ぐユダヤ教に疑惑の眼を注ぎ続けることだろう。

   宗教は一皮むけば狂気なり「愛と平和」を唱えながらも 蝶人
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主婦の友社版「誰もが泣いて喜ぶ愛と感動の冠婚葬祭その他諸々挨拶&スピーチ実例集NO.25」

2020-02-10 11:01:50 | Weblog


蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話第333回

○創立記念式典/取引先のあいさつ

安藤社長、このたびは創立10周年の晴れの日をお迎えになりましてまことにおめでとうございます。*1

私は日頃から御社にたいへんお世話になっております小柳工務店の小柳と申します。本日はこのようなおめでたい席にお招きいただきましてたいへん感激しております。

さて最近の住宅産業を観察しておりますと、他の業界と同様、大量生産、大量販売の旧態依然としたシステムが崩壊し、お客様のきめこまかなニーズに対応した、個性的でより人間らしい住宅、地球と環境に優しい住宅づくりの時代を迎えようとしているように思われます。*2

安藤建築事務所さんが偉いのは、設立当初の10年前からすでにこのことを予見し、時代を先取りする建築デザインを大胆不敵に提案されていたことです。私はこの10年間安藤さんが、歯をくいしばって頑張ってこられたからこそ、昨今の建築家ブームもあるのだと認識しております。

安藤さん、どうかこれからも周囲の雑音に耳を貸さず、ゴーイングマイウェイの頑固一徹で次に10年もがんばって下さい。*3

小柳工務店は最後まで応援させて頂きます。

○ アドバイス
* 1一取引先として平素の愛顧に深く感謝し、招待されたことに謝意をあらわすのが礼儀である。
* 2主賓の立派な業績に対して敬意を表し、先見の明を称える。
* 3このケースでは、社長同士の親しい付き合いがあることを前提に、取引先としての今後の取組み姿勢を少し捻ったかたちで表現した。

 眠る前に消したはずの電球が煌々と照る冬の明け方 蝶人

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蝶人如月映画劇場その1

2020-02-09 12:59:56 | Weblog


闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.2020~24

1)アルフォンソ・キュアロン監督の「ゼロ・グラビティ」
宇宙を舞台にしたサスペンスラヴストーリーとは珍しい。東日本大震災の折に真っ先に1億円寄付したというサンドラ・ブロックが好演。あの映画では物凄い宇宙ゴミが登場するが、その後も増え続けている。宇宙は記念なごみ捨て場なのに、大金を積んで旅行したいという命知らずの馬鹿がいる。

2)アントワーン・フークア監督の「イコライザー」
正義の味方、元CIAのデンゼル・ワシントン選手が、諸悪の根源ロアイ・マフィアなどに立ち向かいたった一人で殲滅してしまうという素晴らしい勧善懲悪物語。

3)オリヴィエ・アサヤス監督の「アクトレス」
ジュリエット・ピンシュが功なり名遂げた女優を熱演。

4)ジョン・アヴネット監督の「ボーダー」
メキシコの女に惚れたアメリカの警官、ジャック・ニコルソンが両国の国境を行き来する政治と恋の物語。「壁、壁」と叫ぶトランプの対極に位置する1981年製作の映画。

5)マーチン・スコセッシ監督の「レイジング・ブル」
デ・ニーロ、ジョー・ペシが熱演する1980年製作の素晴らしいボクシング映画。ミドル級ボクサー、ジェイク・ラモッタの波乱万丈の人世が鮮やかに浮き彫りされる。

6)ランダル・ウオルス監督の「仮面の男」
アレクサンドル・デュマの「ダルタニヤン物語」にもとづくルイ14世をめぐる三銃士たちの大冒険。我らがディカプリオ選手が2役で奮闘します。

「出版社はみな編集がやりたくて入社するんですよ」と叫びし広告部ウメザワさん 蝶人
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玉城徹歌集「徒行」を読んで

2020-02-08 14:13:14 | Weblog


照る日曇る日 第1350回

昭和53年から57年にかけての作品だが、「徒行」というより全国各地を行脚しての精妙な写実の歌が多い。

終わりの方に「昭和57年10月19日、鎌倉に1泊す」と詞書がある「方代と共に」という歌があった。

  酒の酔ひさまさむとしてあらめやの二階にわれと方代とゐる

「あらめや」は以前鎌倉駅前の小町にあった料亭で、当時は旅館も経営していたようだから、酒を酌み交わした二人はそのまま2階に泊ったのかもしれない。あらめやは不思議な店で、私はその後「俄か画廊」に変身したこの1階で、大本教の出口王仁三郎の窯変茶碗に逸品を見たことがあるが、恐らく趣味人のオーナーがコレクターなのだろう。

それはともかく、その夜2人は

 ある一人わが歌を責めまたひとりその歌釈けば夢薄らぎぬ

と次に歌われているように、お互いかなり激論を交わしたのではないだろうか。少なくとも方代に描いた玉城の幻影が崩れたことは間違いないだろう。

連作の最後には、

 材木座はた十二所の社など恋ひ思へども疲れてはやむ

とあるから、ししかするとその日私との近接遭遇もあり得たかと想像を逞しうしてみたりした。

会ったことはないが、作者は恐らくつぎの「自戒」と題された

 戯咲することを己に禁めける若き明恵を思はばいかに

の歌のような人物だったのであろう。

さて本巻のハイライトはといえば、間違いなく「昭和55年1月11日、父、肇死去。すなはち作れる長歌ならびに反歌」と詞書のある絶唱であろう。

長くなるので引用はしないが、この5つの歌を読みながら、私は覚えず落涙せずにはいられなかった。

玉城徹は、天下の抒情詩人である。

 時折は頬笑みながらシューベルトの八重奏曲を弾くアリーナ・ポゴストキーナ 蝶人

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岩波文庫版ギュスターヴ・フローベール著・中條屋進訳「サラムボー下」を読んで

2020-02-07 12:07:19 | Weblog


照る日曇る日 第1349回

上巻に引き続いて古代カルタゴと蛮族!たちの波乱万丈、気もない油断も隙もない目くるめく様な大争闘を、稀代の美少女サラムボーをセンターに立たせて、天才作家フローベールが踊るがごとく、歌うがごとくに描く。

ろうたけた美女の宮殿の豪華絢爛や美貌の様相を舐めるがごとく描く筆の冴えも素晴らしいが、特にすごいのは両軍の戦闘の精細な記述で、サラムボーの父ハミルカルの機略に陥れられて袋のネズミとなった蛮族軍の飢餓地獄の記述は、思わず背筋が寒くなるような凄惨さである。

このわが「平家物語」や「太平記」に比すべき恋と冒険の血沸き肉躍る華麗な一大軍記絵巻が、かの「ブヴァールとペキュシェ」や「ボヴァリー夫人」と同じ作者の筆になるとはお釈迦様でも気が付かないだろうが、この視界の広さと見事な広角打法こそがギュスターヴ選手ならではのユニークな文学世界なのである。


「未来」てふ定かならざる言霊に縋りつつけふも歌を詠む人 蝶人
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独グラモフォン盤「カール・ベームの交響曲集」をきいて

2020-02-06 13:35:47 | Weblog


音楽千夜一夜第444回

ベートーヴェンとブラームスはウィーン・フィル、モザールとシューベルトはベルリン・フィル。演奏はどちらかと言えばモザール、オケはどちらかと言えばベルリン・フィルが私の好みです。

もう少しカラヤンが大人になって手兵をライヴァルに振らせてくれたら、と思わずにはいられないが、本気を出した時の全盛期のベームに叶う指揮者なんていないことを知っていたから、カラヤンは振らせたくなかったんだろうね。

こおゆうのをBGMみたいに流しながら、庭の柑橘の黄色や空をゆく白い雲をぼんやり眺めていると、人世もうなにも要らないという気がしてくるから不思議です。

こういう大家の演奏に対して、最近の若手の誰それのほうがもっと優れた解釈をしているとか、過去の名演奏を絶対化すると再現芸術の進歩がなくなるとか、ご立派な理屈を振りかざす頭のいい人たちがいるが、もう棺桶に両足まで入れかけた超保守反動のおらっちなんか、んなこたあ、もうどうでもいいのよ。

そのうちあんさんも、いにしえの古式豊かな名演奏が、晴れた日のお葬式には似あうと分かる日が来るでしょう。

 「何回も繰り返し」出てくるこたあない とく消え失せよ安倍蚤糞 蝶人
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思潮社版・現代詩文庫「尾形亀之助詩集」を読んで

2020-02-05 10:48:50 | Weblog
照る日曇る日 第1348回

何やかやのために己に意気地と無理を強いて生きるくらいなら、餓死したほうがましだと考え、殆どそれを43歳で実践してしまった。と思われる詩人の全作品、というても3つの短い詩集だが、を読む。

この人にとって大事なことは、自分が何を書くかというその内容ではなくて、書いている時の自分と世界の実存の総体が、自分並びに他人に、ありありと実感されている。音楽でいうライヴ感などと書いてしまうと実も蓋もないが、詩と詩人とが欣喜雀躍してイル・フォウ・タンテ・ドゥ・リーブルしている。そういう風に詩文を書くことだった。

んで、それはちょっと晩年の小島信夫なんかに似た書法=生法であるなあ、と思った。

解説で鈴木志郎康さんが触れておられる、夫婦の会話だけを書きならべた「話(小説)」にその極意が伺えます。

   君がいて君も君もいてくれるだから僕もいきていられる 蝶人

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「夢は第2の人世である」或いは「夢は五臓六腑の疲れである」 第84回 

2020-02-04 13:13:01 | Weblog
西暦2019年神無月蝶人酔生夢死幾百夜

「こちらは某国の王女様であるが、今日から1ヶ月間お前たちと一緒に仕事をして下さることになったから、万事よろしう頼むぞ」といわれたのだが、それから1ヶ月間、私らはてんで仕事にならなかった。なぜなら王女様は全裸の美女だったから。10/1

チューターとしての私は、意外にも結構まともなことを喋ったとみえて、聴衆の中の1人の女性は、私の言葉にいちいち深く頷いていたので、私はゼミが終わってから彼女を隣の部屋に連れ込んで接吻したが、彼女がまったく抵抗しなかったので、性交しようとしたが、その時彼女に下半身がないことに気付いた。10/1

その頃の私は、毎朝例の無垢の人からの電話があるのを唯一の楽しみにしていた。その声を聞くと、なんとなく清らかな心持ちになるのだ。10/1

新米披露会に出席した私は、はじめは最後列に座っていたのだが、だんだん前の席に移動し、最後は最前列に躍り出て、出来たての新米を試食しみたが、とても美味だった。要するに、腹が減っていたらしい。10/2

電通がデベロッパーになって、高田馬場早稲田辺の大開発をするという話を耳にして、それではまた、地下鉄にただで乗ったり、学バス利用者を実力で阻止したり、半日で5万円のカンパを集めたりできるのか、とぬか喜んだりした。10/2

私は生まれて初めて芝居の演出をすることになって、役者にいろいろな指示を与え、「さあ行ってみよう!」と叫んだが、なにも起こらなかった。それもそのはずで、まだ脚本が出来ていなかったのだ。10/3

12時から試験だというので、学友諸君と一緒に教室で待機していたが、担当教官のヒラオカが来ないので、みなメシを食いに行った。30分遅れでやって来た彼奴は、「半からだと思っていた。みんな戻ってくれよ」と、泣きながら訴えたが、みな知らん顔していた。10/4

新曲の録音でスタジオに缶詰になっていたら、突然頭が痛くなった。他のミュージシャンもそうだというので、神主を呼んでお祓いをしてもらったが、全然効果がないので、結局別のスタジオで録音することになった。10/5

曾祖父なんか知らないけれど、祖父と祖母が死んで、父と母が死んで、伯父伯母叔父叔母みんな亡くなって、私ひとりが取り残された。10/6

私の名前が、私が作製した文書からことごとく失われたので、2台のパソコンと3個の外付けHDDの中を大捜索して、なんとか見つけ出そうとしているところだ。10/7

お昼にランチを食べようと、会社からかなり離れた定食屋に入ったら、私の課のY嬢が、営業部の男たちに交じって女一人でサンマを食べていて、「お前はどうして自分の仲間とメシを食わないでここに来るんだ」と聞かれて「ほっといてよ」とそっぽを向いていた。10/9

台風の被害に遭った私の寺は、軍の移動テントのすぐ傍にあったので、兵士たちはすぐに修復してくれた。10/10

「家族A」は「家族B」に対して、かつて天人許すべからざる残虐行為をなしたことがあったので、しばらくは慙愧の念から大人しくしていたが、しばらくすると何事も無かったかのような顔をして、傍若無人に振る舞うようになってしまった。10/11

5000行に及ぶ彼の大長編詩の冒頭は、「それから私は」という言葉だった。10/12

諸君、喝采し給え。若き天才建築家の登場だ。10/13

ボクは、毎晩世界のラグビー選手が集る居酒屋で呑み食いしていたので、段々彼らの強さの秘密について知るようになっていった。10/14

ストックホルムだか、ヘルシンキだかで、母が列車に乗っている、という情報に接したので、急いで追いかけたのだが、ついに見つからず、返す返すも残念だった。10/15

私の職場では、怒り狂った社員が、朝から晩まで滅茶苦茶に電話を掛けまくるので、煩くてたまらないが、私だけ何もしない訳にはいかないので、取り敢えず5か所に電話した。10/16

障碍者の親の会の打ち合わせに、どういう風の吹き回しか、成人後見人を名乗る男が登場し、自分がその後見依頼者ともども仏蘭西に行った折りの話をベラベラしゃべり出したので、皆の顰蹙を買った。10/17

初めて中国を訪問したら、周恩来首相が3千年の過ぎ来し行く方を懇切丁寧に解説してくれたが、その言い方では、過去から現在までの道行が絶対化されてしまうので、現政権に対する批判が出来なくなってしまう危険がある、と思った。10/18

もういいだろう、と思って外に出ると、例の男の子と女の子が、私を捕まえて、どこにも行かせてくれないので、私はエンエンと泣いた。10/19

私たち6人兄妹は、3人の伯父叔父の家に別々に引き取られて、お互いに会うことも無く育ったが、半世紀ぶりに再会したら、それぞれが能や歌舞伎や文楽の歌舞音曲にかかわる仕事をしていたので驚いた。10/20

「机の上の余分な物は全部捨ててください」と言われたが、昔の手帳だけは捨てられなかった。10/21

夜の11時から、池袋のスカラ座で試写会があるのだが、山手線が駅の手前で止まってしまい、焦りまくっている私。しかし、池袋にスカラ座なんてあるのだろうか?もしかして新宿の間違いではないのだろうか?10/22

ふと気がつけば、万人が万人に対する戦争の時代に入っていたので、及ばずながら、私も武装したのだった。10/23

インフルエンザからセキリ、エキリ、コレラ、エイズまで、何にでも効く万能予防注射が発明されたので、全国民が皇居前広場に集まって、「早く注射しろ!」と叫んでいるが、希望者があまりにも多く、長蛇の列になっている。10/24

オレが、ブッシュにからまったPCを探していると、5時から6時ごろに、不意を突いてオレをやっつけようという僚友たちのひそひそ話が、耳に入ってきた。10/25

原住民たちが、思いがけず我々に反抗したので、私は部下に対して、全員から武器を取り上げ、抵抗するようなら、即銃殺するよう命じた。10/27

昨日エイギョウから依頼があって、なんたらかんたらフェアをやるので、その製作物を、という話だったので今朝シゲハラ印刷の担当者に来てもらったのだが、それを具体的に詰めようとしても、なんたらかんたらの実態が分からないので、手のつけようもないのだった。10/28

世界の終りが迫っていた。私は妻と一緒に電子辞書だけ持って、着のみ着のまま裏山に逃げ出し、「世界名言集」を検索しながら遺言を考えていたのだが、突然辺りは真っ暗闇になり、液晶も切れた。それが世界が終った瞬間だった。10/29

バルカン半島の緩衝地帯で衝突があり、現地駐在の日本大使館が「日本資本主義」という旗印を掲げていたので、私は急遽「日本国憲法」に差し替えた。10/30

ソロス君は、自分の子飼いの部下を、破格の高給で、自分が管理運営する秘密プロジェクトのメンバーに任命して、ますます実権を積み重ねていった。10/31

   ハイドンの冒頭一音鳴り響き世界驚倒東京カルテット 蝶人
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すべての言葉は通り過ぎてゆく 第77回

2020-02-03 13:26:56 | Weblog


西暦2020年睦月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第333回



「フェーバーさん、1月になりましたが、何か一言。」「何もないね。」1/3

人を殺さば穴ひとつ。イラン革命防衛隊の司令官を殺害したトランプ大統領は、いずれ同じ運命を辿ることだろう。1/4

イランとの平和協定から一方的に離脱しておきながら、それまで協定を順守していたイランに敵対し、派兵し、国家テロを仕掛けるトランプは、平和を希求する世界の民草の最大の敵である。1/5

毎週木曜日の「プレバト!!」を面白くみているが、先週の冬のタイトル戦における夏井いつきの判定は疑問。私なら一位と最下位の作品を逆にする。私はいつもこの選者の判定に半分は同意するが、半分は不同意。時々別の選者も登場させたらどうだろう。1/6

カルロス・ゴーンの犯罪についてはさておき、そのレバノンへの逃走は、その大胆不敵な構想と計画といい、その細心緻密な実行といい、彼でなくては誰も為し得なかった大冒険で、ここに彼が実業家として大を為した秘密がひそんでいる。1/7

この節は2時間を超える乗り物や観劇や野外ツアーなどは警戒しているのだが、まさか歯の治療中に我慢できずに、尿がダダ漏れしてしまうとは、おらっちとしては大不覚だったなあ。1/8

それにしても、どうして遺族はせめて殺された子供と親たる自分のフルネームを合わせて正々堂々と世間に公表しないのかねえ。でなきゃ遺霊だって闇から闇にさ迷い続けて浮かばれないだろうに。まるで自分たちが悪いことをしたみたいだ。1/9

口先戦争男の狂人トランプに対して、和戦両様の構えで冷静に対処する「大人な」イラン。我らの阿呆莫迦極右最低男の安倍蚤糞も少しは見習ったらどうかね。7たび生まれ直してきても無理だと思うけど。1/10

森法相が「ゴーン氏は法廷で無実を証明するべきだった」と語って、後で訂正した。しかし有罪率が9割を超える法廷で、被告が無罪を勝ち取るためには、検察ではなく弁護側で無罪証明をする必要もあるのだが、そんな割に合わない仕事を引き受ける弁護士は稀なのである。1/11

ギドン・クレメールが主宰するクレメラータ・バルティカが、モーツアルテウムホールで演奏したアンコールの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」K525の中に、なんと「鉄道唱歌」の一節が組み込まれていた。いったいどういう経緯でこういう編曲がなされたのかしら。1/12

イラン問題のあれやこれやは、せっかくオバマが苦労して結んだ核合意を、オバマと民主党の成果を全否定したいという赤子の我儘で協定から離脱したトランプの無責任と夜郎自大に起因していることを忘れてはならない。1/13

腐敗堕落した安倍蚤糞政権よりは、共産党の志位委員長が提唱する野党連立政権の方が遥かにマシだとは思うが、彼らが政策協定と相互協力ができるほど大人とは到底思えないのが辛い所である。1/14

長らく療養中の鈴木志郎康さんがおよそ1年半ぶりに詩を書かれた。「詩」と題されたとても短い詩だが、その最後に「それゆけ、ポエム。」というリフレインがあって、寝床に縛り付けられてはいない自分が、なんだかとても励まされたような気がした。1/15

公凶放送の7時のニュースのトップに、負傷したバトミントン選手の帰国報道って、おかしくないか? そんなこたあ、どうでもいいじゃないか。1/16

朝ドラ「スカ-レット」の陶芸家夫婦はいずれ別れ、夫は若い女と一緒になり、ヒロインは独立独歩の人世を歩み始める。はずだ。1/17

皇居新年歌会の歌をざっと眺めてみたけれど、おしなべて低調。ゆいいつ印象に残ったのは栗木京子氏の「観覧車」の歌で、これは昔の絶唱と過ぎし青春を半世紀ぶりにしみじみと振り返る実存的反歌の趣があり、その思いの深さで他歌を圧倒していた。1/18

アシュケナージが引退するそうだ。指揮者としてなら大賛成だが、なんでピアノを止めてしまうんだろう。何を弾いても本当に上手な、嫌にならない演奏を聞かせてくれたのに。1/19

トランプに脅迫されて更に駐留費を払うくらいなら、いっそ同盟を破棄して自国を自国民だけで防衛したほうが遥かにマシ、という考え方もあるだろう。例えそれが憲法第9条に違反し、それで戦力が大幅に低下するとしても、それが真の「独立独歩」に直結するなら。1/20

結局すべての問題は、昔むかし福沢諭吉がいうた「一身独立して一国独立す」に帰結する。この国とこの国にすむ民草は、依然として独立していないのである。だから何かの奴隷なのである。1/21

新型肺炎が流行する中国から押し寄せる旧正月の観光客に対して、箱根の駄菓子屋が入店禁止を宣言したそうだが、私が店主でもそうするだろう。また逆のケースで、私が中国の駄菓子屋に同じように宣告されたとしても、私は素直に同意するだろうな。1/22

亡くなった今井和也氏は徹底した合理主義者で、例えば会社のカレンダーから「大安吉日」など陰陽道の六輝の表示を削除し、祝祭行事を六輝を無視して実行するために、上層部や同僚、部下と怯むことなく戦った。なかなか出来ることではない。1/23

「プレバト!!」の生け花を担当する假屋崎省吾という人物が何者だか知らないが、とてもひとさまを偉そうに「指導」する素養や技術があるとは思えない。もういちど誰かに就いて「一輪挿」の基本から学び直す必要があると思う。1/24

ウイグルやチベット、香港の市民を弾圧し、自由と民主の草の根を根こぎにする習近平のような極悪人を「国賓」として招くとは気違い沙汰なり。1/25

「津久井やまゆり園」の大量殺人者、植松聖は、横浜地裁の法廷で呆れかえるような短絡的な主張を繰り返しているが、もしも彼、あるいは家族が、彼が抹殺すべき「心失者」ならどうするのか、その答えを聞きたいものだ。1/26

京都市長選では立憲、社民、国民の3野党が、自公と相乗りして現職候補を支援しているというが、奇怪千万なり。共産と「れいわ」が支援する対立候補に乗り替えるのが常識だろう。いったい何のために国政で自公と戦っているのか?1/27

大相撲は来年の初場所まであらゆる格付けを廃止して、「全員総当たり戦」で新しい番付を決めたらいいと思うずら。
武漢にいる邦人や外国人を自国に送還するとイキがっているけど、政府はどのような感染対策を準備しているのだろう? 1/28

「募ってはいるが募集はしていない」! またしても安倍蚤糞の迷言登場。「よりましな政権がない」などとホザイて、そんな阿呆に全権を委ねているもっと愚かな民草ども!1/29

これで五輪もご臨終。中国が武漢封鎖を決める前に、安倍蚤糞は中国人来日を阻止すべきだったと思われる。1/30

トランプの中東和平案は完全にイスラエルの主張を上書きしただけのとんでもない代物で、
特にパレスチナ領の不法占拠地をイスラエルに編入し、エルサレムをイスラエルの首都とする案はパレスチナ人の生存権を蹂躙する最悪の提案である。1/31

 大栄翔に教えてやりたし半蔵門に栄翔てふ中華料理屋があることを 蝶人


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なにゆえに第72回~西暦2020年睦月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2020-02-02 11:17:16 | Weblog

 
ある晴れた日に第598回



なにゆえに朝比奈峠に難渋す台風被害で倒木の山

なにゆえに敵と見做して人殺すお前の後生は良くないぞ

なにゆえに平地に乱を起こして騒ぐお前のお陰で皆迷惑だ

なにゆえに毎日ゴルフで遊び呆けるおいシンゾー貴様のことだぞ

なにゆえに中国企業から賄賂を受け取るカジノ議員は即辞職せよ

なにゆえに中東で戦さが始まるトランプがテロリストだから

なにゆえにイランと米国の仲介をしないおめえの得意な外交だろうが

なにゆえに米イは戦争しないそれはなあーんも解決せんから

なにゆえにCDが音飛びするやっぱり中古は駄目なのかしら

なにゆえにイランは空とぼけていた撃墜したと分かっていたのに

なにゆえに安倍蚤糞は中東へ行く外交しているふりをしたい

なにゆえに坪内祐三は死んだ61は余りに早い

なにゆえにシフのベートーヴェンに感動できない感動しすぎるオッサンが画面に映るので

なにゆえに育児休暇をいそいそと取る本職では何も出来ない

なにゆえに突如思い出すのか小松左京が生きてた時代を

なにゆえに勝手に暖房を止めちまうパナソニックの阿呆莫迦エアコン

なにゆえにアシュケナージは引退する左手でいいからもっと弾いておくれよ

なにゆえに今頃国会を開いてるもと.っと前から「営業」すべきだ

なにゆえに駐留費を米軍に払うその金で防衛したほうが遥かにマシなり

なにゆえにケン君から連絡がない玄関をセメントで修理するというたのに

なにゆえに「エースのジョー」は亡くなったトランプにお株を奪われたので

なにゆえに武漢-成田直行便を差しとめない新型肺炎を阻止するために

なにゆえに「ローマです」の一言に嗚咽したヘラルド・エースの試写室で

なにゆえに庭の柑橘タンと生るムクの死骸のコヤシが効いて

なにゆえに安倍蚤糞は桜を見せる異端を殺す習近平に

なにゆえに新型肺炎が跳梁する天は我等を見捨てたか

なにゆえに邦人帰国を急がせる感染しているかも知れないのに

なにゆえに友人知己は反論しなかった植松聖が暴論を述べた時に

なにゆえに天はコロナをぶちまける五輪どころじゃねえぞと戒め

なにゆえに晴れの予報が雨になる天気予報さえ当てにならぬ国


  町内の掲示板にも訃を告げずひそと去りゆくこの頃の人 蝶人
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西暦2020年睦月蝶人花鳥風月狂歌三昧

2020-02-01 12:40:20 | Weblog
ある晴れた日に第597回


後援会をどっさり招いて公金で接待するや安倍蚤糞

ウイルスがあるか無いかはいざ知らず鎌倉に溢れる観光客たち

これ以上観光客は要らざるに鎌倉特集をやる公凶放送

今頃はどの辺で戦っている小兵の宇良とか元大関の照ノ富士

照ノ富士と宇良が帰ってきましたよ大相撲初場所

「手をつけ」と待ったをかける行司あり待ったをかけない行司もあるでよ

平幕と似たる強さの関取が横綱・大関を名乗るは奇っ怪

横綱を破りし者が己より下なる者に連敗する日々

誰もかも「1日1日集中」とボキャブラリーの貧しき関取

阿呆莫迦が選んだ阿呆莫迦議員共が次々しでかす阿呆莫迦の莫迦

消費税値上げに伴うレジ設備投資出来ず車屋商店ひそと幕閉ず

「100引く7」すぐに出来たがその次の「93引く7」で躓く

神様はほぼ絶滅しましたが「神対応」の神様残る

NHKから国民を守ってもらいたいがその党首のなんといかがわしきこと

陋習に腐り果てたる帝国の喉元を撃つ怪人ゴーン

群衆ぐああ群衆雪崩群衆ぐああが群衆雪崩世界崩壊

意に満たぬマグロは捨てて一穫で千金狙う漁師を見たり

いざ行かむ死地に向かうは我ら1億2000万人

肥りたる豚のみ激しく跋扈して痩せたソクラテス絶滅したり

いつの間にガムを噛むようになったのかNYヤンキースの田中投手

人死なばただちにそれを記入するウイキペデイアは閻魔大王

俺様は宇宙から来た植松だ。こんな野郎生きている価値がない。

自民党の子分になるのは即止めよ「小さな声を聴く」気があるなら

アベトランププーチン金習みな消えて喜ばしき世界のはじまり

描いても描いてもてんで売れない絵画家が悪いか世間が悪いか

ひれかつを断固退けロースかつをさっさと選ぶ息子四十六

初雪が冷雨にかわりて舞い落ちて観光客も少なき土曜日

下らない「市からのお知らせ」を大声で放送するな病人が驚く

途轍もない凄ンげえ短歌を度忘れし切歯扼腕したりけるかな

人世なんてあっという間ですねと書きありし遊妻のハガキをポストに入れたり

ジャッキーのチェンがいた頃の香港はポリスは弱きを挫かなかった

   大声で何かを叫ぶナナハンが全速力で走り過ぎたり 蝶人

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