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きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ベネズエラ 国民の選択④ 反暴力宣伝~野党と支持者の溝

2013-05-19 18:17:45 | 国際政治
ベネズエラ 国民の選択④ 反暴力宣伝~野党と支持者の溝

地元紙ウニベルサル8日付が報じた世論調査によると、支持率は40・7%対44・3%で野党が上回りました。
しかし、マドゥロ新政権の評価については51・3%が「すばらしい」「よい」など肯定的。否定的な評価は46・7%でした。

複雑な世論下
複雑な世論状況が続く中、野党側は、反暴力キャンペーンに力を入れています。
野党系の団体が10日、カラカス市内で「暴力の広がりにどう対処する」と題した公開討論会を開きました。会場は開会前から、300人以上の人で満員になりました。
最初にジャーナリストが、凶悪犯罪の増加と政府の対策を資料で報告しました。ところがその後は主催団体やカプリレス野党候補の出身母体である正義第一党(PJ)の幹部がすさまじい政府批判を始めました。
革命スローガンが地域や職場に持ち込まれ、賛成しない人々が罵倒・殴打されている、政府は「情報戦争」でウソや憎しみ、暴力を助長している―というのです。
PJのリベルタドル市(首都区の中心自治体)責任者は「世界中の政府がテロと戦っている時、この国では政府がテロで国民を脅迫している。迫害や恐怖に負けずに、不正選挙による非合法のテロリスト政権を打倒しよう」と叫びました。
活動家らしい人々の拍手は起きたものの、空疎で扇動的な演説にうんざりして席を立つ人も多く、後半は空席が目立ちました。「真摯(しんし)な討論を期待してきたのに」と失望を口にした人もいて、急進的な野党幹部と支持者の意識の差が垣間見えました。



「テロ国家」の表題を掲げた野党系公開討論会


演説する正義第一党の幹部ミゲル・マシューズ氏=5月10日、カラカス

幹部も離れる
野党幹部の1人で国会議員代理を務めるリカルド・サンチェス氏は、選挙の直前にカブリレス候補への支持をとりやめました。5月初め国営AVN通信のインタビューで「野党陣営には複数のブロックがあり、カプリレスが代表しているわけではない。多くは憲法体制と民主的プロセスを信頼している。その一方クーデダー計画の疑いが晴れないグループ
もいる」と述べました。
「PJ幹部は暴力的な方針をもっている。彼らの戦略は政府に非合法の非難を浴びせて新政権の支持を傷つけることがねらい」と指摘します。
ハウア外相は10日の会見で、「政府が対決しているのは民主的な野党ではなく、一部の右翼やファシスト勢力である」と説明。治安や経済の問題を心配する多くの国民の声にはしっかりと耳を傾け、理解と協力を求めていくと強調しました。
(カラカス阿田中靖宏 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年5月15日付掲載


野党と与党で政策の論戦は大いにやるのはいいのですが、暴力やテロは絶対許されないですね。
暴力やテロを許さない流れが、野党の勢力の中にも、与党の勢力の中にも定着していることは喜ばしい事ですね。
どちらの勢力も、国民の声にしっかり耳を傾けてほしいものですね。

ベネズエラ 国民の選択③ 選挙「無効」攻撃~豹変した野党候補

2013-05-19 18:05:54 | 国際政治
ベネズエラ 国民の選択③ 選挙「無効」攻撃~豹変した野党候補

「不正選挙による非合法政権」。野党系の新聞は毎日、選挙を「不正」によるものと決め付け、マドゥロ政権を攻撃しています。

事実究明なく
不思議なことに、どんな不正があったの)か、事実の究明がありません。欧米の主要メディアも同じで、カブリレス候補の主張をそのまま伝えています。
「異議があるなら、法にのっとって正式の抗議を」。選管がこう呼びかけたのになかなか応じなかった同候補は5月2日になって、最高裁に選挙の無効とやり直しを求める訴えをおこしました。
180ページの訴状には、公務員への投票の強制や公的資金の不公平な使用など、さまざまな批判が述べられています。20万人近い死者が選挙人に登録されたとか、2万1000人の同姓同名者がいる、など。しかし政府系メディアはその証拠となる事実の提供がないと指摘しています。
「不正」選挙を攻撃する野党側の主張は、変転しました。
最初は、票の確認作業を100%やれ、というものでした。電子投票のデータと実際の投票用紙と選挙人名簿を付き合わせる作業です。投票終了後、各投票所で無作為に抽出した投票用機器について行い、全体の54%の確認が終了した時点で、その投票所の機械に不具合がなかったとして結果が承認されます。
これは与野党の合意にもとついて選挙法で決まっている手続きです。与野党の立会人のもとその通りの作業がおこなわれました。



投票所の入り口に張られた有権者リストで自分の名前を確認する市民=4月14日、カラカス

異議の中身は
これにたいし異議を唱えたカプリレス候補の主張は、初めは「100%数えないのは不正の証拠」というものでした。選管が主張を受け入れて100%の確認作業をおこなうと表明すると、今度は登録人名簿と指紋の照合を要求。それに応じないのは「不正を隠している証拠」だとし、一旦合意した確認作業に参加しないと言い出しました。
選管のルセナ委員長は「野党の申し立て書には、不正を証明する具体的事実が欠けている」と指摘。証拠をそえて法律の範囲で争うべきだと述べました。
カプリレス氏は選挙直後から「不正で投票が奪われた」として、選管への抗議をよびかけました。呼応した学生や一部の暴徒が各地で騒乱を引き起こしました。政府の発表では、与党の党員宅や事務所、診療所が襲われ9人が死亡しました。
ランヘル元副大統領は、野党の策動は民主的選挙の結果を暴力で覆そうとするものと批判。選挙中に指導力を発揮したカプリレス候補の「民主主義者の仮面がはがれた」と批判しました。(カラカス=田中靖宏 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年5月14日付掲載


確かに僅差での勝負だったので、野党側も何かと意義を言いたいのでしょうね。
しかし、僅差とはいえ投票の結果は歴然としたものだので、文句のつけようがないでしょうね。
発展途上国の投票では開票に1週間近くかかることも珍しくありませんが、さすがに10数年間、選挙による革命を推進してきた国だけあって、開票も早くって確実ですね。