ベネズエラ 国民の選択④ 反暴力宣伝~野党と支持者の溝
地元紙ウニベルサル8日付が報じた世論調査によると、支持率は40・7%対44・3%で野党が上回りました。
しかし、マドゥロ新政権の評価については51・3%が「すばらしい」「よい」など肯定的。否定的な評価は46・7%でした。
複雑な世論下
複雑な世論状況が続く中、野党側は、反暴力キャンペーンに力を入れています。
野党系の団体が10日、カラカス市内で「暴力の広がりにどう対処する」と題した公開討論会を開きました。会場は開会前から、300人以上の人で満員になりました。
最初にジャーナリストが、凶悪犯罪の増加と政府の対策を資料で報告しました。ところがその後は主催団体やカプリレス野党候補の出身母体である正義第一党(PJ)の幹部がすさまじい政府批判を始めました。
革命スローガンが地域や職場に持ち込まれ、賛成しない人々が罵倒・殴打されている、政府は「情報戦争」でウソや憎しみ、暴力を助長している―というのです。
PJのリベルタドル市(首都区の中心自治体)責任者は「世界中の政府がテロと戦っている時、この国では政府がテロで国民を脅迫している。迫害や恐怖に負けずに、不正選挙による非合法のテロリスト政権を打倒しよう」と叫びました。
活動家らしい人々の拍手は起きたものの、空疎で扇動的な演説にうんざりして席を立つ人も多く、後半は空席が目立ちました。「真摯(しんし)な討論を期待してきたのに」と失望を口にした人もいて、急進的な野党幹部と支持者の意識の差が垣間見えました。

「テロ国家」の表題を掲げた野党系公開討論会

演説する正義第一党の幹部ミゲル・マシューズ氏=5月10日、カラカス
幹部も離れる
野党幹部の1人で国会議員代理を務めるリカルド・サンチェス氏は、選挙の直前にカブリレス候補への支持をとりやめました。5月初め国営AVN通信のインタビューで「野党陣営には複数のブロックがあり、カプリレスが代表しているわけではない。多くは憲法体制と民主的プロセスを信頼している。その一方クーデダー計画の疑いが晴れないグループ
もいる」と述べました。
「PJ幹部は暴力的な方針をもっている。彼らの戦略は政府に非合法の非難を浴びせて新政権の支持を傷つけることがねらい」と指摘します。
ハウア外相は10日の会見で、「政府が対決しているのは民主的な野党ではなく、一部の右翼やファシスト勢力である」と説明。治安や経済の問題を心配する多くの国民の声にはしっかりと耳を傾け、理解と協力を求めていくと強調しました。
(カラカス阿田中靖宏 写真も)(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年5月15日付掲載
野党と与党で政策の論戦は大いにやるのはいいのですが、暴力やテロは絶対許されないですね。
暴力やテロを許さない流れが、野党の勢力の中にも、与党の勢力の中にも定着していることは喜ばしい事ですね。
どちらの勢力も、国民の声にしっかり耳を傾けてほしいものですね。
地元紙ウニベルサル8日付が報じた世論調査によると、支持率は40・7%対44・3%で野党が上回りました。
しかし、マドゥロ新政権の評価については51・3%が「すばらしい」「よい」など肯定的。否定的な評価は46・7%でした。
複雑な世論下
複雑な世論状況が続く中、野党側は、反暴力キャンペーンに力を入れています。
野党系の団体が10日、カラカス市内で「暴力の広がりにどう対処する」と題した公開討論会を開きました。会場は開会前から、300人以上の人で満員になりました。
最初にジャーナリストが、凶悪犯罪の増加と政府の対策を資料で報告しました。ところがその後は主催団体やカプリレス野党候補の出身母体である正義第一党(PJ)の幹部がすさまじい政府批判を始めました。
革命スローガンが地域や職場に持ち込まれ、賛成しない人々が罵倒・殴打されている、政府は「情報戦争」でウソや憎しみ、暴力を助長している―というのです。
PJのリベルタドル市(首都区の中心自治体)責任者は「世界中の政府がテロと戦っている時、この国では政府がテロで国民を脅迫している。迫害や恐怖に負けずに、不正選挙による非合法のテロリスト政権を打倒しよう」と叫びました。
活動家らしい人々の拍手は起きたものの、空疎で扇動的な演説にうんざりして席を立つ人も多く、後半は空席が目立ちました。「真摯(しんし)な討論を期待してきたのに」と失望を口にした人もいて、急進的な野党幹部と支持者の意識の差が垣間見えました。

「テロ国家」の表題を掲げた野党系公開討論会

演説する正義第一党の幹部ミゲル・マシューズ氏=5月10日、カラカス
幹部も離れる
野党幹部の1人で国会議員代理を務めるリカルド・サンチェス氏は、選挙の直前にカブリレス候補への支持をとりやめました。5月初め国営AVN通信のインタビューで「野党陣営には複数のブロックがあり、カプリレスが代表しているわけではない。多くは憲法体制と民主的プロセスを信頼している。その一方クーデダー計画の疑いが晴れないグループ
もいる」と述べました。
「PJ幹部は暴力的な方針をもっている。彼らの戦略は政府に非合法の非難を浴びせて新政権の支持を傷つけることがねらい」と指摘します。
ハウア外相は10日の会見で、「政府が対決しているのは民主的な野党ではなく、一部の右翼やファシスト勢力である」と説明。治安や経済の問題を心配する多くの国民の声にはしっかりと耳を傾け、理解と協力を求めていくと強調しました。
(カラカス阿田中靖宏 写真も)(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年5月15日付掲載
野党と与党で政策の論戦は大いにやるのはいいのですが、暴力やテロは絶対許されないですね。
暴力やテロを許さない流れが、野党の勢力の中にも、与党の勢力の中にも定着していることは喜ばしい事ですね。
どちらの勢力も、国民の声にしっかり耳を傾けてほしいものですね。