そもそも集団的自衛権④ イラクに行かない?
安倍首相は15日の記者会見で、集団的自衛権の行使を「研究」する一方、「湾岸戦争やイラク戦争にはいかない」といいました。でも、「なんだ、自衛隊は多国籍軍には参加しないのね。安心した」
と考えるのは早合点です。
そもそも首相は本気でそう思っているのか疑問です。自民党の石破茂幹事長は、17日のテレビ番組で、湾岸戦争やイラク戦争のような戦争に「日本だけが参加しないというのは、やがて国民の意識が変わるときに、また(政府対応が)変わるかもしれない」と語りました。
■行使が本音
“国民の批判が強い今はともかく、将来は多国籍軍に参加できるようにしたい”。石破さんは、安倍政権の本音を語っているのでしょう。
加えて首相の記者会見で注目すべきは、米国のアフガニスタン報復戦争には一言も触れていない点です。
この戦争は、米国が「テロとのたたかい」を口実にアフガニスタンを攻撃し、集団的自衛権の行使を理由に、英国などの北大西洋条約機構(NATO)諸国が参戦した戦争でした。典型的な集団的自衛権行使の例です。
イラクに向け出発する陸上自衛隊員=2004年、千葉・成田空港
■米国の要求
“湾岸戦争やイラク戦争”のような戦争も安心できません。
日本は米国の要求に基づいてインド洋やイラクに海外派兵を繰り返してきましたが、派兵法で武力行使をしてはならないという「歯止め」がかかっていました。自衛隊の活動も「後方地域支援」での活動にとどまってきたのです。多国籍軍参加も、他国の武力行使に参加する(武力行使との一体化)ことだから、だめですよ、という立場でした。
集団的自衛権の行使は、他国の戦争に参加することであり、「海外での武力行使」そのものです。従って、これを認めてしまえば、「海外で武力行使をしてはならない」といった「歯止め」がなくなり、多国籍軍への参加も時の政権の判断で可能になってしまいます。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年5月26日付掲載
「将来は多国籍軍に大手(おおで)を振って参加できるようになりたい」が安倍首相の本音。
そんな事を可能にする「集団的自衛権」容認はいかなる場合でも許されません。
安倍首相は15日の記者会見で、集団的自衛権の行使を「研究」する一方、「湾岸戦争やイラク戦争にはいかない」といいました。でも、「なんだ、自衛隊は多国籍軍には参加しないのね。安心した」
と考えるのは早合点です。
そもそも首相は本気でそう思っているのか疑問です。自民党の石破茂幹事長は、17日のテレビ番組で、湾岸戦争やイラク戦争のような戦争に「日本だけが参加しないというのは、やがて国民の意識が変わるときに、また(政府対応が)変わるかもしれない」と語りました。
■行使が本音
“国民の批判が強い今はともかく、将来は多国籍軍に参加できるようにしたい”。石破さんは、安倍政権の本音を語っているのでしょう。
加えて首相の記者会見で注目すべきは、米国のアフガニスタン報復戦争には一言も触れていない点です。
この戦争は、米国が「テロとのたたかい」を口実にアフガニスタンを攻撃し、集団的自衛権の行使を理由に、英国などの北大西洋条約機構(NATO)諸国が参戦した戦争でした。典型的な集団的自衛権行使の例です。
イラクに向け出発する陸上自衛隊員=2004年、千葉・成田空港
■米国の要求
“湾岸戦争やイラク戦争”のような戦争も安心できません。
日本は米国の要求に基づいてインド洋やイラクに海外派兵を繰り返してきましたが、派兵法で武力行使をしてはならないという「歯止め」がかかっていました。自衛隊の活動も「後方地域支援」での活動にとどまってきたのです。多国籍軍参加も、他国の武力行使に参加する(武力行使との一体化)ことだから、だめですよ、という立場でした。
集団的自衛権の行使は、他国の戦争に参加することであり、「海外での武力行使」そのものです。従って、これを認めてしまえば、「海外で武力行使をしてはならない」といった「歯止め」がなくなり、多国籍軍への参加も時の政権の判断で可能になってしまいます。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年5月26日付掲載
「将来は多国籍軍に大手(おおで)を振って参加できるようになりたい」が安倍首相の本音。
そんな事を可能にする「集団的自衛権」容認はいかなる場合でも許されません。