電球をLEDに転換 電力不足の解消めざす アフリカ南部・ザンビア
不足分30%埋め合わせに
【ルサカ=ロイター】アフリカ南部ザンビアは全土で、消費電力の少ない発光ダイオード(LED)電球への転換を図り、大幅に不足する電力を補おうとしています。同国の電力不足は鉱工業や農業に打撃を与え、割り当て送電を余儀なくされている地域もあります。
ザンビアの国営電力会社によると、すべての家庭と事業所がLED電球に転換すれば、全国で年間最大20万キロワット、電力の不足分の約30%を埋め合わせることができます。
「無償」で交換
電力会社は6月までに、500万個のLED電球を現在使われている電球と無償で交換する計画です。総事業費は2000万ドル(約22億4000万円)。国内のすべての白熱電球を取り換えることをめざします。
「この事業で多くのエネルギーを節約することになる。普通の電球で40ワットの消費電力が、」EDならたった5ワットだ」―電力会社のトーマス・シンカンバLED普及責任者は言います。これまでに300万個のLED電球を500万ドルで購入しています。
ザンビア政府は1月、白熱電球のほか、エネルギー効率の悪い電化製品の製造と販売、輸入を禁止しました。さらにLED電球や太陽光パネルなどの輸入税を撤廃し、エネルギー効率の悪い製品には課税しています。
首都ルサカで食肉業を営むロザイア・マピカさん(53)は12月、6個のLED電球を無料で受け取りました。「わが家の電気代は月300ザンビア・クワチャ(ZMW、約2240円)かかっていた。今では月240ZMWを超えることはない」。住まいでは調理と暖房、照明に電気を使っています。
ザンビア、ジンバウエ国境を流れるザンベジ川にあるカリバ・ダム(ロイター)。写真撮影当時の2002年2月には豊富な貯水量がありました。
安全の問題は
一方、LED電球が安全に廃棄されるのか、健康上の影響はないのかとの懸念もあります。ザンビア気候変動ネットワークのロバート・チマンボ執行委員は「(LED電球には)少量でも極めて有毒な水銀が含まれている」と指摘します。
LED電球は従来の電球よりもかなり高価。1個それぞれ5ドルと1ドル50セントです。それでも寿命は6倍長いといいます。
LED電球を無償で提供するというのが、転換を促すかぎです。ザンビアの人口の65%が1日1ドル90セント以下で生活しています。
ザンビアの電力需要は過去5年間で160万キロワットから180万キロワットに拡大しています。配電地域が広がったためで、国の配電事業はますます切迫していると電力会社は言います。
需要の高まりに加え、2年の干ばつで水力発電ダムの水位が低下したため、電力不足が起きています。その緩和のため、電力供給が最大で1日6時間に制限されている地域もあります。
電力需要はますます増えそうです。政府はより多くの国民に電力供給を拡大しようとしています。人口の3分の2を超える1550万人にエネルギー供給がありません。
政府の地方電化局のジャスティン・ムコサ局長は「太陽光小型発電や風力など、別のエネルギー源の活用を強める必要がある」と述べています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年4月7日付掲載
発展途上国では、涙ぐましい努力で電力不足と闘っているですね。
人口の3分の2の人々にエネルギー供給がないっていうんですから、まだまだこれからです。
不足分30%埋め合わせに
【ルサカ=ロイター】アフリカ南部ザンビアは全土で、消費電力の少ない発光ダイオード(LED)電球への転換を図り、大幅に不足する電力を補おうとしています。同国の電力不足は鉱工業や農業に打撃を与え、割り当て送電を余儀なくされている地域もあります。
ザンビアの国営電力会社によると、すべての家庭と事業所がLED電球に転換すれば、全国で年間最大20万キロワット、電力の不足分の約30%を埋め合わせることができます。
「無償」で交換
電力会社は6月までに、500万個のLED電球を現在使われている電球と無償で交換する計画です。総事業費は2000万ドル(約22億4000万円)。国内のすべての白熱電球を取り換えることをめざします。
「この事業で多くのエネルギーを節約することになる。普通の電球で40ワットの消費電力が、」EDならたった5ワットだ」―電力会社のトーマス・シンカンバLED普及責任者は言います。これまでに300万個のLED電球を500万ドルで購入しています。
ザンビア政府は1月、白熱電球のほか、エネルギー効率の悪い電化製品の製造と販売、輸入を禁止しました。さらにLED電球や太陽光パネルなどの輸入税を撤廃し、エネルギー効率の悪い製品には課税しています。
首都ルサカで食肉業を営むロザイア・マピカさん(53)は12月、6個のLED電球を無料で受け取りました。「わが家の電気代は月300ザンビア・クワチャ(ZMW、約2240円)かかっていた。今では月240ZMWを超えることはない」。住まいでは調理と暖房、照明に電気を使っています。
ザンビア、ジンバウエ国境を流れるザンベジ川にあるカリバ・ダム(ロイター)。写真撮影当時の2002年2月には豊富な貯水量がありました。
安全の問題は
一方、LED電球が安全に廃棄されるのか、健康上の影響はないのかとの懸念もあります。ザンビア気候変動ネットワークのロバート・チマンボ執行委員は「(LED電球には)少量でも極めて有毒な水銀が含まれている」と指摘します。
LED電球は従来の電球よりもかなり高価。1個それぞれ5ドルと1ドル50セントです。それでも寿命は6倍長いといいます。
LED電球を無償で提供するというのが、転換を促すかぎです。ザンビアの人口の65%が1日1ドル90セント以下で生活しています。
ザンビアの電力需要は過去5年間で160万キロワットから180万キロワットに拡大しています。配電地域が広がったためで、国の配電事業はますます切迫していると電力会社は言います。
需要の高まりに加え、2年の干ばつで水力発電ダムの水位が低下したため、電力不足が起きています。その緩和のため、電力供給が最大で1日6時間に制限されている地域もあります。
電力需要はますます増えそうです。政府はより多くの国民に電力供給を拡大しようとしています。人口の3分の2を超える1550万人にエネルギー供給がありません。
政府の地方電化局のジャスティン・ムコサ局長は「太陽光小型発電や風力など、別のエネルギー源の活用を強める必要がある」と述べています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年4月7日付掲載
発展途上国では、涙ぐましい努力で電力不足と闘っているですね。
人口の3分の2の人々にエネルギー供給がないっていうんですから、まだまだこれからです。