きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

写真は語る④ いつまで「外の人」か

2021-05-23 07:13:20 | 赤旗記事特集
写真は語る④ いつまで「外の人」か
大藪順子(のぶこ)

「横浜インターナショナルユースフォトプロジェクト」は、昨年5年目を迎えた。
5年間でたまった作品を多くの人に見てもらいたいと写真集を出すことになった。過去の参加者で現在大学生や高校生の有志が編集委員となり、エッセーを書き、中国語と英語に翻訳し、取材に応えて、コロナ禍でも写真集制作が進められた。
『横浜』と書いて『KOKO(此処・個々)』と無理やり読ませるタイトルも彼らの話し合いで決まったものだ。ただ「横浜インターナショナルユースフォトプロジェクト」がサブタイトルでは何の本かわかりにくいため、「外国につながるこどもの作品」のような説明が必要だと出版社から言われた。



『横浜(KOKO)―「外国につながる」ではひとくくりにできない中高生の作品集』(明石書店、4月30日発売)

「外国につながる」という言葉は日本人にとっては都合がいい。さまざまな外国へのつながり方がある中で、細かに分類することで誰かが漏れてしまったら文句が出るし、それ以前に面倒だ。「外国人」や「外人」というよりは、言われる側の疎外感が少ないかもしれない。何よりも、日本人が「外人」という言葉を否定的に思うようになってきた。
サブタイトルについて編集会議をした時、当事者である若者たちが「外国につながる」という呼ばれ方に飽き飽きしていることを教えてくれた。生まれも育ちも日本である子も多く、いつまで「外の人」でいなくてはならないのか。彼らは「多文化共生社会」を実現させるために存在する道具ではないとも言う。もっともだ。
そこで「外国につながるではひとくくりにできない人たち」はどうかと提案してみると、その路線でいくことに彼らから同意を得た。このプロジェクトには日本人の子も参加してきたし、それぞれがユニークな存在で、それが社会を豊かにすることを知ってもらいたい。
『横浜―「外国につながる」ではひとくくりにできない中高生の作品集』は、明石書店より4月30日出版となる。
(フォトジャーナリスト、コラムニスト)(金曜掲載)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年4月23日付掲載


国籍は外国でも、生まれも育ちも日本である子も多く、いつまで「外の人」でいなくてはならないのか。
彼らは「多文化共生社会」を実現させるために存在する道具ではないとも言う。もっともだ。
もちろん日本人の子どもたちも参加。だからこそ個性的な作品になったのではないでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする