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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ミャンマー不服従運動② 市民たちのたたかい 追い詰められた軍政

2021-05-02 07:43:58 | 国際政治
ミャンマー不服従運動② 市民たちのたたかい 追い詰められた軍政
軍政に抵抗する不服従運動(CDM)に参加し、職場を離れたウィンテインさん(仮名)の勤め先は、外国為替や貿易金融を専門にする国営ミャンマー外国貿易銀行。約500人の行員のうち約200人がCDMに参加し、ストライキのため正常な業務ができなくなりました。

ビジネスに影響
「銀行員のCDM参加は、ビジネスと経済に大きな影響を与えています」とウィンテインさん。ミャンマーでは民間を含む多くの銀行で窓口業務が再開されておらず、送金や決済が停滞。自動車関連業などでの「ビジネスの大部分の停止」が同国メディアで報じられています。軍政は抗議運動を抑えつけるためインターネットなどの通信も遮断しました。
金融や経済活動が停滞するなか、新規企業登記数はクーデター前の約9割減に。撤退や事業停止・縮小を決定する外資企業も増えてきています。
労働者だけでなく、消費者としての不服従運動も行われています。「市民は納税を拒絶し、公営宝くじも買わなくなった。可能な限りの銀行預金を引き出している」とヤンゴン在住のジャーナリストはいいます。市民の不買運動をおそれた大手スーパーは、軍関連企業の商品を扱わなくなりました。



軍事クーデターに反対し不服従運動に加わるミャンマー経済銀行の職員ら=2月11日(ツイッターから)

隠れて暮らすCDM参加教員のミンミンアイさん(仮名)は、「CDMは有効です。軍政は政府機構を運営できていない」といい、希望を持ち続けています。
最初にCDMをはじめた医療関係公務員たちは、全国で約300カ所といわれる公立病院・医療施設を閉鎖させています。鉄道や港湾は閉鎖され、電気エネルギー省では約半数の職員が職場を離れたといわれています。
少数ながら、国軍内にも動きが出ています。3月下旬からCDMに参加したマンダレー駐屯の少佐は最近、「軍内で兵士は常に上官におびえている」と恐怖支配の実態を「ミャンマーナウ」に告発しました。デモ弾圧命令に従えない数百人以上の警察官が隣国インドに逃亡したことも、注目を集めました。
国軍は「CDMは国家破壊活動」(ミン・アウン・フライン総司令官)だと宣伝し、公立病院医師らCDM参加者、運動を「扇動した」著名人らを相次いで訴追し、弾圧を強めています。営業を再開しない銀行に罰金を科すなど脅しをかける一方、「職場復帰を温かく迎える」(23日付国営紙)と甘言も使用。この国軍側の必死さは、CDMの威力を物語るものとなっています。

1920年代より強い
独立系メディア「イラワジ」は、ミャンマーの不服従運動がイギリス植民地時代に発展した歴史を紹介。
「現在のミャンマー国民は1920年代よりも強い決意を示している」と評しました。
この歴史的経験を示すように、収入の途絶えたCDM参加者を財政的に支援するグループが国内外でつくられました。
不服従運動は、暴力的な弾圧を続ける国軍に対する非暴力・平和的闘争の重要な柱となっています。いつかは軍政に勝てるという信念と、いつになるのかわからない不安の両方を抱えながら、ミャンマーの市民たちの団結した闘争は続いています。
(ハノイ=井上歩)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年5月1日付掲載


国軍に抗する不服従運動(CDM)は、銀行や自動車関連業者などで起こり、経済活動が停滞。国軍政府に痛手を与えています。
職場を離れて闘う人たちに財政的支援をするグループも。
まさに、国民的運動ですね。