徹底追及 統一協会 信者2世編Ⅱ② 再び集団結婚 韓国へ 経歴詐称の夫は失踪
作家 冠木結心(かぶらぎけいこ)さん

統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者2世だった作家の冠木結心さん。集団結婚した最初の夫とはDV(ドメスティックバイオレンス)が原因で離婚しました。
ただ洗脳は解けていませんでした。信仰心があつい母親を喜ばせたい―そんな思いで再び集団結婚をします。
教区長の紹介で
新しい夫は、統一協会の教区長が紹介した年上の韓国人。最初の夫との間にできた子どもと韓国に渡り、生活を始めます。
ところが―。大卒の配管工と説明されたものの、実際は日雇い労働者でした。夫は毎日のように飲んだくれ、冠木さんのクレジットカードを盗み、勝手に使うことも。
「暴力を振るわないだけありがたいと思え」。夫はそう繰り返しました。
2004年に夫との間に子どもが生まれました。産後1カ月もたっていないなか、夫が突然姿を消しました。2人の子どもと冠木さんを残し、借金取りから逃れるため失踪したのです。
「夫が自分だけ助かろうと思っていたことに絶望しました。産後直後で働くこともできず、母は、私の帰国をよく思わないため、帰ることもできませんでした」
借金取りのなかにはヤクザも。冠木さんは知人の助けで子どもたちと避難します。

助けてくれた韓国の人たちと冠木さんが住んでいた小屋(冠木さん提供、一部を加工しています)
ある日、避難先に見知らぬハルモニ(おばあさん)から電話がかかってきます。そのハルモニに夫が世話になっているというのです。
心配しなくていいから、うちにおいで―。夫は許せませんでしたが、命をつなぐために頼ることにします。
たどりついたのは山奥の田舎町。住まいは物置と化した小汚いプレハブ小屋。トイレは板が渡されただけ。中が丸見えで、ウジ虫が大量に発生していました。臭いが充満し、食事がのどを通りませんでした。
スーパーのある中心部まで、歩いて往復2時間かかります。バスは1日3本しかなく、雪が降ると上がってきませんでした。
貧しい暮らしでしたが、ハルモニは食事を提供してくれ、家賃もとりませんでした。
「統一協会からは助けてもらえませんでした。でも一般の韓国の人からは助けてもらいました。だからこそ生きてこられました。ハルモニたちには、ものすごく恩を感じています」
人事のためなら
集団結婚で韓国に送られた日本人女性信者は7000人に上るとされています。冠木さんは、韓国の統一協会を支えているのは日本人だといいます。
「韓国の統一協会では家庭が崩壊するような献金はあり得ません。伝道をするのも日本人です。入信する人の多くが男性で結婚目的でした」
集団結婚をした当時、在職証明書や最終学歴証明書の提出が義務付けられていました。しかし、夫の学歴や職歴、年齢までもすべてが偽装されていました。
冠木さんは言います。「統一協会では、何組結婚させたかが、評価や人事に直結しているのだと思います。教区長は夫に問題があると知っていました。にもかかわらず、偽装を見逃し結婚させたのです」(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年9月20日付掲載
貧しい暮らしでしたが、ハルモニは食事を提供してくれ、家賃もとりませんでした。
「統一協会からは助けてもらえませんでした。でも一般の韓国の人からは助けてもらいました。だからこそ生きてこられました。ハルモニたちには、ものすごく恩を感じています」
木さんは言います。「統一協会では、何組結婚させたかが、評価や人事に直結しているのだと。教区長は夫に問題があると知っていました。にもかかわらず、偽装を見逃し結婚させた」
作家 冠木結心(かぶらぎけいこ)さん

統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者2世だった作家の冠木結心さん。集団結婚した最初の夫とはDV(ドメスティックバイオレンス)が原因で離婚しました。
ただ洗脳は解けていませんでした。信仰心があつい母親を喜ばせたい―そんな思いで再び集団結婚をします。
教区長の紹介で
新しい夫は、統一協会の教区長が紹介した年上の韓国人。最初の夫との間にできた子どもと韓国に渡り、生活を始めます。
ところが―。大卒の配管工と説明されたものの、実際は日雇い労働者でした。夫は毎日のように飲んだくれ、冠木さんのクレジットカードを盗み、勝手に使うことも。
「暴力を振るわないだけありがたいと思え」。夫はそう繰り返しました。
2004年に夫との間に子どもが生まれました。産後1カ月もたっていないなか、夫が突然姿を消しました。2人の子どもと冠木さんを残し、借金取りから逃れるため失踪したのです。
「夫が自分だけ助かろうと思っていたことに絶望しました。産後直後で働くこともできず、母は、私の帰国をよく思わないため、帰ることもできませんでした」
借金取りのなかにはヤクザも。冠木さんは知人の助けで子どもたちと避難します。

助けてくれた韓国の人たちと冠木さんが住んでいた小屋(冠木さん提供、一部を加工しています)
ある日、避難先に見知らぬハルモニ(おばあさん)から電話がかかってきます。そのハルモニに夫が世話になっているというのです。
心配しなくていいから、うちにおいで―。夫は許せませんでしたが、命をつなぐために頼ることにします。
たどりついたのは山奥の田舎町。住まいは物置と化した小汚いプレハブ小屋。トイレは板が渡されただけ。中が丸見えで、ウジ虫が大量に発生していました。臭いが充満し、食事がのどを通りませんでした。
スーパーのある中心部まで、歩いて往復2時間かかります。バスは1日3本しかなく、雪が降ると上がってきませんでした。
貧しい暮らしでしたが、ハルモニは食事を提供してくれ、家賃もとりませんでした。
「統一協会からは助けてもらえませんでした。でも一般の韓国の人からは助けてもらいました。だからこそ生きてこられました。ハルモニたちには、ものすごく恩を感じています」
人事のためなら
集団結婚で韓国に送られた日本人女性信者は7000人に上るとされています。冠木さんは、韓国の統一協会を支えているのは日本人だといいます。
「韓国の統一協会では家庭が崩壊するような献金はあり得ません。伝道をするのも日本人です。入信する人の多くが男性で結婚目的でした」
集団結婚をした当時、在職証明書や最終学歴証明書の提出が義務付けられていました。しかし、夫の学歴や職歴、年齢までもすべてが偽装されていました。
冠木さんは言います。「統一協会では、何組結婚させたかが、評価や人事に直結しているのだと思います。教区長は夫に問題があると知っていました。にもかかわらず、偽装を見逃し結婚させたのです」(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年9月20日付掲載
貧しい暮らしでしたが、ハルモニは食事を提供してくれ、家賃もとりませんでした。
「統一協会からは助けてもらえませんでした。でも一般の韓国の人からは助けてもらいました。だからこそ生きてこられました。ハルモニたちには、ものすごく恩を感じています」
木さんは言います。「統一協会では、何組結婚させたかが、評価や人事に直結しているのだと。教区長は夫に問題があると知っていました。にもかかわらず、偽装を見逃し結婚させた」