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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

政権追い詰めた市民と共産党 通常国会150日⑧ 政治の私物化 “身びいき”と隠蔽

2023-07-03 06:56:06 | 政治・社会問題について
政権追い詰めた市民と共産党 通常国会150日⑧ 政治の私物化 “身びいき”と隠蔽
公私混同、モラル崩壊。今国会であらわになったのは岸田文雄政権の目に余る「政治の私物化」です。岸田首相が「適材適所」と首相秘書官に任命した息子の翔太郎氏は、公用車で観光地をめぐり、首相公邸で親族らと大忘年会。首相は批判を受けて更迭したものの、当初は厳重注意で済ませようとしていました。身内をかばい、疑惑にフタをする政治姿勢が色濃く浮かび上がります。
翔太郎氏や親族らは昨年末、私的な忘年会を首相公邸で開催。組閣の記念撮影を模して赤じゅうたんの階段で記念撮影する様子や、首相が使う演説台で“記者会見ごっこ”をする参加者の姿もありました(文春オンライン5月24日付)。首相は「厳しく注意した。緊張感を持って対応してもらいたい」と更迭を事実上拒否しましたが、批判を浴びて更迭表明を余儀なくされました。
翔太郎氏は首相の欧米外遊に同行した1月にも、大使館の公用車で観光名所をめぐって写真撮影し、高級百貨店で土産品を購入するなど「公私混同」ぶりを発揮していました。秘書官の更迭は、「見るのも嫌だ」などと性的少数者への差別発言を口にした荒井勝喜(まさよし)氏に次いで2人目。首相の任命責任と、モラル・人権意識の低さが問われます。
さらに、忘年会に首相が寝間着で参加していたことも発覚(『フライデー』6月2日発売号)。税金で維持管理され、危機管理の中枢を担う公邸を自宅扱いする異常性が明らかになりました。


岸田首相秘書官の更迭をめぐる動き
1月岸田翔太郎氏が首相の欧米外遊時に、公用車で観光地をめぐり写真撮影。土産品も購入
1月31日岸田首相が衆院予算委員会で「首相の土産を購入するのは、政務秘書官の本来業務に含まれうる」「公務だ」と擁護
2月3日荒井勝喜氏がオフレコ取材で性的少数者への差別発言。「見るのも嫌だ。隣に住んでいたらやっぱり嫌だ」
2月4日岸田首相が荒井氏の更迭を表明
5月24日翔太郎氏が12月30日に首相公邸で親族らと忘年会し、記念撮影する様子などを文春オンラインが報道
5月25日岸田首相が記者団に「本人にも厳しく注意した。緊張感を持って対応してもらいたい」と説明
5月26日岸田首相が参院予算委員会で、野党からの更迭要求を事実上、拒否
5月29日岸田首相が一転して、翔太郎氏の更迭を表明
6月1日翔太郎氏が辞職


変わらない体質
“身びいき”を続ける岸田政権。今国会で野党から追及を浴びた国土交通省出身者による民間企業への人事介入問題でも、隠蔽(いんぺい)体質が露呈しました。
国交省の元幹部が、同省の威光を背景に民間企業「空港施設」の幹部ポストを要求していた問題で、複数の元幹部の関与が判明するなど組織的な人事介入疑惑が浮上。同省は4月4日、衆院国交委員会理事会に▼現職職員による再就職のあっせん▼国交省出身者から同省への働きかけ―のいずれも「確認できなかった」との報告書を提出しました。
しかし、日本共産党の塩川鉄也議員の追及で事務方ナンバー2の国交審議官にさえ聞き取りしていないなど、ずさんな調査実態が判明(4月7日、衆院内閣委員会)。同省調査では不十分だと野党に指摘されても、首相は「予算や権限を有しない民間人としての活動に関して、調査は予定していない」(4月19日、参院本会議)と実態解明に背を向けました。
その後、「空港施設」の独立検証委員会の調査で、同省の現役職員が民間企業に勤める同省出身者に対し、未公表の人事資料をメールで提供していたことが新たに発覚。「線引き」と呼ばれる資料には、退職予定者を含む職員の名前、入省年次、現職、異動先などが記載されていました。日本共産党の田村智子議員は、再就職を目的とする企業側への情報提供を禁じた「国家公務員法違反の疑いが濃厚だ」と指摘しました。(5月15日、参院本会議)
同省は「線引き」そのものの提出を拒否し、具体的な送付先も明らかにしないまま国会は閉会。疑惑に目をつぶり、かばいきれなくなっては更迭し、閣僚4人が疑惑を残したままドミノ辞任した昨年の臨時国会からなんら変わらない、岸田政権の隠蔽体質が浮き彫りになっています。

論戦が実を結ぶ
政治の私物化と“身びいき”を加速させ、悪法を次々と強行する一方で、提出を断念したのが日本学術会議法改悪案です。同案は、学術会議の会員選考に政府が介入する仕組みを設けるもの。宮本徹議員が2月27日の衆院予算委員会で、首相に「期限ありきではなく、学術会議と意思疎通を図りながら検討を進めていきたい」と答弁させ、国内外の研究者・科学者の批判の声と結びつき、今国会への提出断念にまで追い込みました。市民と共産党の論戦が実を結んだ大きな成果でした。
(おわり)(この連載は、伊藤幸、窪田聡、小林圭子、斎藤和紀、柴田菜央、藤原直、目黒健太が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年7月2日付掲載


翔太郎氏や親族らは昨年末、私的な忘年会を首相公邸で開催。組閣の記念撮影を模して赤じゅうたんの階段で記念撮影する様子や、首相が使う演説台で“記者会見ごっこ”をする参加者の姿も。まさに呆れてしまいますね。
“身びいき”を続ける岸田政権。今国会で野党から追及を浴びた国土交通省出身者による民間企業への人事介入問題でも、隠蔽(いんぺい)体質が露呈。
日本学術会議法改悪案。学術会議の会員選考に政府が介入する仕組みを設けるもの。宮本徹議員が2月27日の衆院予算委員会で、首相に「期限ありきではなく、学術会議と意思疎通を図りながら検討を進めていきたい」と答弁させ、国内外の研究者・科学者の批判の声と結びつき、今国会への提出断念にまで追い込む。


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